【2018年】タイムトラベルする恋愛もの9選! 恋愛×時間遡航は物語の一大ジャンルだ!
「未来のミライ」という映画の評判があまりよろしくないようです。私も未来や過去とか、いかにも時空を超えそうなフィクションにはちょっとお腹いっぱいになってしまったので、なかなか見に行こうという気力を奮い起こすことができていません。そのきっかけになったのは言わずとしれたあの「君の名は」です。
高校生の恋愛と時間のあれこれをからめたストーリーに、やはりフィクションというのは過去のアイデアの組み合わせなのだと感じました。
上映が終わって興奮冷めやらぬ高校生たちに
「この映画はあの作品のパクリなんだぞ!」と叫びたい気持ちでいっぱいでした。
あの作品、と言って、思い当たる小説が数十個思い当たる猛者もいれば、「え? そうなの?」という純粋な方もいらっしゃるかもしれません。
そういう方が次に見る類似映画として、そして私のフィクション受容歴を振り返る意味で、私が勝手に「時を駆ける系恋愛物」と呼んでいるフィクション群を、2018年現在で知る限り上げてみたいと思います。私も、学生の頃はこういうお話が大好物でした。おそらく、こういう話は今後も量産され続け、純粋な中高生を(その心を持った大人たちをも)虜にし続けることでしょう。
①君の名は
説明不要の超有名作。2016年公開、監督は新海真。もう10年前に見ていたら私は、「携帯の年号表示見ないなんてどんなおっちょこちょいだよ」みたいな余計なことは考えずに、きっとテレビの前で十周はしていたでしょう。過去や現在に飛ぶ、という単純なタイムリープ物ではなくて、現代っぽくちょっとひねりを入れた設定です。
レジェンドです。この広告を見るだけで目の奥がちょっと熱くなる気がします。2006年7月公開。高校生の夏休みに、リビングでこの映画を見た衝撃は忘れられません。原作は筒井康隆、監督は細田守です。筒井康隆のちょっと古い小説を、まさに当時を生きる高校生達に当てはめて新しく生まれ変わらせた名作だと私は思っています。
「未来で待ってる」
「すぐ行く! 走っていく!」
は、この二行を書いているだけで耳の奥にこのセリフが響いて、背中がぶるりとします。
……どれだけ速く走っても真琴が千昭に会えないという事実はご愛敬。
この後、細田守は「サマーウォーズ」を発表しました。私は、実家の近くにあったTSUTAYAで小説版を買いました。が、読んでみてなんだかなあ……と思った記憶。やっぱり軸になる思想って大事。
③僕は明日、昨日の君とデートする
またまた高校生の大好物っぽい映画です。2016年12月公開。
実は私は映画を観ても原作を読んでもいないのですが、会社の同期が原作を読んでめちゃくちゃ感動したらしく、昼休み中に語ってくれました……が、よくわからずに相槌ばかり打っていました。なんか違う時間軸を生きる二人……みたいな話だった気がします。詳細はわかっていないですが、ストレートなタイムリープものというより、ひねりを加えた亜種のような映画みたいです。君の名はでお腹いっぱいになっていたのと、いかにも恋愛!という感じが苦手でちょっと手を出せずにいました。
原作者の七月隆文さんが黒歴史を塗りつぶそうとしているらしいという噂はどうなんだろうか。
原作市川拓司の小説。当時の私はまだ高校生で、学校の図書館で借りて読みました。いかんせん夫婦と子どもの話ということで、みずみずしくイノセンスな文体に惹かれたものの、登場人物の気持ちが子どもの自分にはよくわからなかった一冊です。
内容説明できなくてごめんなさい……今読んだら号泣できるかもしれないです。
これは違う? そう思いますか。私もちょっと迷いました。なんとなく思い当たったものは全部書いていく感じで許してください。
「三話まで見ろ」
と友人の自宅で録画したものを見てガチハマりし、その後は毎週の放送を犬のごとく楽しみに待っていました。最終回一個前の回が、震災で延期になったこともあってものすごく記憶に残っています。
これは恋愛と言っていいのか否か。まあ、時を超えてまで会おうとする思いの強さ恋愛らしいものと思っていい気がしているので許してください。
方向がちょっとずつぶれてきました。
軽い文体と軽いノリで、時々シリアスなこともやるエピソードの匙加減がいい感じでした。どの巻もそこそこ楽しめますが、やっぱり最高なのは、第四巻「涼宮ハルヒの消失」でしょう。時を超えて会う、という大枠で、「主人公が否定し続けていた非現実的な出来事が、すべての物語の起点になっていた」という壮大な話です。初めて知ったのは原作ですが、当時の私は死ぬほど衝撃を受けました。
消失の映画を見たのは最近ですが、めちゃくちゃ面白かった……思い出補正の力は偉大です。
「照れてる長門さんがめっちゃ可愛い」
みたいなことを、放課後の武道場でにやにや話してきた友人のことを今でも思い出します。
どんどん恋愛や解説から遠くなってる気がしてきた……ハルヒとキョンの関係は、なんだかんだ言っても10パーセントくらいは恋愛要素を含んでいると思っています。
さて、やっともとの進路に戻ってきました。長澤まさみと山Pが出ていた2007年放送の月9ドラマ。内容詳しく覚えてないけれど、これは
「今を後悔する大人の男が過去に戻って人生をやり直す」
話です。これも一種の時を駆ける系恋愛物だと勝手に思っています。
桑田佳祐の「あーしーたーはれーるかなー」
のフレーズは死ぬほど有名です。今でもたまにカラオケなんかで耳にすることがあります。
⑧青春のアフター
可愛い絵柄でエグいドロドロをやる話。リアル感のない、エロゲーっぽいドロドロと甘々と人物の可愛さです。後半は時間軸があちこち飛んで整理が大変です。
巻数も短いのでお勧め。漫画が一個もなかったので苦し紛れにぶち込んでみました。
⑨リフレイン
急にマイナーなものに……と自分でも思います。2017年12月にフジテレビで放送されたドラマです。シナリオコンクールの大賞作品です。
「君の名は」と「明日の僕は……」っぽいなあという感じを受けます。ただ、時間移動のルールにはやっぱりひねりを加えています。作者は、デートの奴と君の名はを両方見てるのかもなと思っています。ちなみになかなか面白いし無料で読めるので、「フジテレビ シナリオ」とかで検索するといいと思います。
なんでこいつを選んだのかというと、一番最近読んだ時を駆ける恋愛物がこのシナリオだったから、それと、こういう風にして、過去に作られた時を駆ける恋愛物が、新しい時を駆ける恋愛物を生み、未来へと物語の骨子が受け継がれていくんだろうなあ、と、うまく記事をまとめられそうだったためです。
さて、うまく落ちたところで、ここまでで終わりにします。ちなみに私が「君の名は」
を見てパクリだ! 揚げ足を取りたくなるきっかけになった作品は上にありません。そいつは乙一の「君にしか聞こえない」という短編です。気になった方はぜひどうぞ。
この作者はあとがきで「似た洋画に後から気付いてパクリだと言われるかと思った」と書いています。
つくづく物語とは、いろいろなエピソードや設定の職人的な配列なんだなあと言うことを思う次第です。
…長くなりました。