狐の嫁入り

小説創作ブログ! のつもりでしたが、なんかだいぶ違う気がします……

【小説】最高のエンタメ作家は誰だ?

はじめに

 なぜかエロ記事ばかりが読まれるようになってしまった弊ブログですが、本来目指すべきは硬派読書ブログです。

と、いうことで、なんとか方向転換を目指すべく、今回は最高のエンタメ作家を私の独断と偏見でご紹介。

 

私の思う最高の小説も厳選しましたので、こちらもどうか……!

youmizuno.hatenablog.com

 

目次

 

宮部みゆき

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日本の国民作家で誰? ともしも聞かれたら、私は迷わず「宮部みゆき!」と答えます。デビュー作はミステリ短編集「我らが隣人の犯罪」こちらも私の大好物な「キレッキレで無駄のない、最高に構成された」短編集です。

宮部みゆきの凄いところは何かというと、「なんでも書ける」ところです。もう一度言います、「なんでも書ける」んです。

短編ミステリでデビューし、その後は歴史短編を出し、SF、ファンタジー、社会派ミステリーと多ジャンルにわたり活躍。歴史の短編小説を出し、社会派ミステリ長編を出したと思ったら、人を殴り殺せんるんじゃないかと思うくらいの分厚さの「超長編異世界冒険譚」を書いたりする。何かの解説で書かれていましたが、宮部みゆきはまさに

「希代のストーリーテラー

の名にふさわしい人物と思います。

人がひどい殺されたかたをする話も結構書いてるので、「この人ヤバい人かな?」と私は思っていたのですが「ダヴィンチ」の雑誌で始めて宮部先生を見た時にはほっこりしました。私は、この赤い縁の眼鏡をかけてるバージョンが好きです。

ちなみに何かの記事では、日銀の黒田総裁と対談なんかしてました……私はその事実を知って、宮部みゆき=国民作家の図は揺らがないと確信しています。

 

おすすめは、軽いところで「ステップファザーステップ」「我らが隣人の犯罪」、中級編に「龍は眠る」「名もなき毒」、くっそ長くて重いのなら「模倣犯」「ブレイブストーリー」あたりでしょうか? ちなみにこのリストも結構古くて、今でも、続々と宮部みゆきの新刊は発行され続けています……私、実は追い切れていません。

 

恩田陸

「恩田陸」の画像検索結果

この人抜きには近年の小説界は語れません。

「蜜蜂と遠来」は単行本の時点で50万部を売り上げ、過去に例をない「本屋大賞」と「直木賞」の同時受賞という偉業を打ち立てた文句のつけようもない傑作です。

また、私の殿堂入りの一冊「夜のピクニック」でも、10年以上前に本屋大賞を受賞しています。文学賞の受賞歴多数、映像化多数、長編から短編、ジャンルも幅広く、長いキャリアと信頼を積み上げてきた近年最も有名な小説家でしょう。

高校生の時に呼んだ「遠野物語」が微妙だったので私はあまりいい印象を持っていませんでしたが……近年の恩田陸フィーバーを見て、このリストに加えないことは不可能だと判断しました。

直近だと、「蜜蜂と遠来」は映画化。スピンオフ作品の「祝祭と予感」も発売されました。まだまだ、「蜜蜂と遠来」フィーバーは続きそうです。

私としましては、宮部みゆき恩田陸が二強です(何の?)

祝祭と予感

祝祭と予感

 

 

 

米澤穂信

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あまり普段本を読まない人に「おすすめのミステリー教えて!」と言われたら、私は迷いなくこの人の著作の中から選ぶと思います。平成年代の「人の死なない日常の謎」というジャンルを国内に広める一番大きな原動力になったのはきっとこの人。米澤穂信です。

デビュー作は、アニメにもなった「氷菓」で、角川学園小説大賞を獲得。2001年。「氷菓」シリーズは、主人公奉太郎の冷めた一人称で進むミステリ青春群像です。

涼宮ハルヒシリーズのキョンと近い雰囲気を感じる語りが印象的。「氷菓」シリーズがアニメになったのは2012年、「涼宮ハルヒ」シリーズがアニメになったのは「2006年」、制作は両方とも京都アニメーション

涼宮ハルヒ」シリーズの爆発的ヒットにより、10年代ラノベやアニメにはSF、変な部活もの、タイムトラベル物が増えました。もし、

「2006年に氷菓が先にアニメになっていたら、その後のアニメ界の主要な題材は日常の謎がスタンダードになり、日本ミステリ会にもとんでもない影響を与え、ライトミステリ全盛の時代が到来していたんじゃなかろうか?」

みたいなことを夢想します。

長編もいろいろ出していますが、私は短編のほうが好きです。「遠回りする雛」の中の「心当たりのあるものは」が私の中では一番です。

すでに人気作家となった米澤穂信ですが、後一歩で直木賞にも届かんとしています。

 

(抜粋はウィキペディアより)

 

受賞歴を重ねて作家としてぐんぐんキャリア(?)アップしています。おそらく直木賞を受賞した際には、とんでもない「氷菓」フィーバーが始まるだろう期待にわくわくが止まりません。

氷菓」の話ばかりしてきましたが、この人の面白いところはやはり「切れのあるミステリ短編」だと私は思っています(そればっかり言ってる……)

そういうわけで私的には、「儚い羊たちの祝宴」「満願」「真実の十メートル手前」「遠回りする雛」「春季限定苺タルト事件」あたりがおすすめです(※18/9/14更新)

 

乙一

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16歳の時「夏と花火と私の死体」で異例のデビューを飾った、誰もが認める天才作家、乙一です。

シンプルで読みやすい文体と、何よりもキレのある短編を描かせたら右に出る者のない作家。その作風も幅広く、切なさを基調とした「白乙一」と残酷さや驚きを追求した「黒乙一」などに分類されます。私はどっちも好きです。

なお、いつからか複数の筆名を使い分けており「もしかして乙一断筆した……?」と不安になったファンは多いはず。と、いうか私がそうです。

私のおすすめは、「失はれる物語」「GOTH」「吉祥寺の朝比奈くん」あたり。

筆名を使い分けている理由は私にはちょっと推察できませんが、なかなか難しい考え方をされる方なのかもしれません。作家というのは、いつの時代もそうなのかもしれませんが。

 

スティーブン・キング

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最高のエンタメ作家、というからには絶対に外すことのできないこの人。「モダンホラーの帝王」と呼ばれる、まさに、「世界最高のエンタメ作家」と呼んで差し支えない人物。本職はホラー作家なのですが、有名な作品はホラーから外れたものが多いという、微妙に不遇な方。ちなみに私も、キング作品はホラーテイストのものよりもちょっと不思議系の話のほうが好きです。

一番有名なのはアカデミー賞を受賞した「ショーシャンクの空」でしょう。このブログでも幾度となく紹介していますね。

もうひとつ、日本の作家はこの人の影響を多分に受けています。小野不由美の「屍鬼」は「呪われた町」、や宮部みゆきの「クロスファイア」は「ファイアースターター」、恩田陸の「夜のピクニック」は「ウォーキング・デッド(もしかしたらこれは違うかも……)」の構成や設定をそのまま流用、もしくは換骨脱退しています。「スティーブンキングのような小説が書きたい」とインタビューで答える作家は非常に多いです。確か綿矢りさの好きな作家でもあったような(wikipedia参照)。

そういうわけで、日本のちょっと不思議で怖い話を見れば、多かれ少なかれこの人のエキスが入っていると考えて間違いない。その源にいる作家、それがスティーブン・キングです。

長編小説が多いのと、短編はアイデアは面白いですがちょっと読みにくかったりするので、中編くらいのあまり長くないやつから入るのがおすすめです。と、いうわけでまずは超名作「スタンド・バイ・ミー」から入って「ゴールデンボーイ」を読むのが安定ではないでしょうか? その後は、「IT」やら「シャイニング」やらのホラー路線に行ってもいいし「グリーンマイル」やら「ダークゾーン」やらのちょっと不思議系に行ってもいいし、「ダークタワー」みたいな超長編小説の世界に入っていってもいいでしょう。

日々新しい小説家は誕生し続けていますが、この人を読んでおけばだいたい間違いありません。まずは、「ゴールデンボーイ」の中に収録されている「刑務所のリタ・ヘイワーズ」から読みましょう!

ちなみにこの人ではありません 

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J・K・ローリング

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最高の小説家の話をするなら、絶対に外してはいけない人「J・K・ローリング」。離婚や生活保護を経験しならがも執筆をつづけ、一度出版を断われた後に別の機会を捕まえて、またたくまに「世界で最も有名な小説」になった「ハリーポッターシリーズ」の著者。私も、小学生くらいの時には、ハリーの冒険に胸を躍らせました。

ハリーポッターシリーズの凄いところは「魔法界」という存在が、架空の存在とは思えないくらい、想像力ゆたかに、まるで本当に存在しているんじゃないかと思えるような筆致で描写されていくところです。この人の頭の中はいったいどうなっているんでしょうか? 百味ビーンズ、ダイアゴン横丁、9と3/4番線、クディッチ……めぐるめく奇想に、幼い日の私は虜になりました。

ハリーポッターが有名だから取り上げたけど本人のことをあまり知らないというあれ……

 

エドガー・アラン・ポー

推理小説の始祖。あらゆるジャンルの出発点……

実は昔の記事に書きました

youmizuno.hatenablog.com

 江戸川乱歩やコナンドイルにも影響を与えた、まさに最高の作家。

ミステリの始祖的な部分ばかりが取りざたされますが、自然科学にも非常に詳しく、科学的基盤をしっかりもった良質なSFも書きます。

いわゆるホラー系なら「黒猫」「アッシャー家の崩壊」、ミステリ/謎解きなら「モルグ街の殺人」「黄金無視」、SFなら「ハンス・ファブニルの奇妙な冒険」「大渦への落下」あたりがおすすめ。「大鴉」なんかの詩も書きます。多分、私の知っている小説家の中で一番学識が深く、考察力もあり、最も物語作りを理詰めで考えるタイプの人です。

全集は5巻セットで出てますが、青空文庫なら無料で読めるものもあります。

  

三秋 縋 

君の話

君の話

 

  未だに読み方が思い出せなくなる作家「みあき すがる」と読みます。

写真がなかったので書影を貼っています。最近は顔を出さない作家増えましたね(住野よる、とか)

2ch掲示板において「げんふうけい」名義でSSを書いていたことがきっかけでデビューした小説家。私も「スターティング・オーヴァー」の原型をSSで読みました。凄く良かったです(小並)。今でも、ちょっと痛くて切ないエンドに震える気持ちを思い出します。

作家としてのキャリアも積みつつあり、最近では「君の話」で山本周五郎賞の候補になりました。

読み味としては、切なくてちょっと苦しい、中学二年生が大好きそうなキャラクターとス卜ーリー展開が特徴的であり、そして私の大好物でもあります。

いろいろこじらせた暗い男が、いろいろ変だけど可愛い(お約束!)女の子としんどい恋愛をする話が多いイメージ。そこに、SFやファンタジーといったギミックが組み合わされます。文章も読みやすく、展開もわかりやすく、登場人物も少なく話を筋を追うのがとても楽で、肩肘張らず楽しめます。会社の同期曰く話は重いらしいですが。(私はそう思いません)。

最高のエンタメ作家、と言われるとあまりに作品が偏り過ぎ、若すぎ(お前が言うかという声は当然あります)が、着々とキャリアを積みつつある作家ということで、今後の躍進に期待しつつこのリストに加えます。

私と同年代の作家ということもあり、隠れ小説家志望としては羨望と焦りを感じますね……私も新しい話書かなきゃ

「君の話」はなかなか楽しめたのでおすすめ。多分若い人は結構好きな話なんじゃないかなと。

 

 

まとめ

「最高のエンタメ作家は誰だ?」

なんていう挑戦的なタイトルを付けてしまいましたが、完全に私の好みです。

 

さて、世の中には読み切れないほどたくさんの小説があり、そのなかから自分にあった面白いものを選び出すのは大変です。そういう時「お気に入り作家」を一人見つけるといいと思います。

そういうものを一人見つけると、ずぶずぶと読書にはまっていける。ちなみに私のきっかけは「乙一」でした。

誰も聞いていないかもしれませんが、作家デビューして憧れの先輩方(敬愛する先生方を先輩と呼びたい)とお話するのが私の夢の一つであることをこっそり告白しておいきます。

また、暫定で最高の作家になりつつある人たちが私の中に複数います(谷崎潤一郎、ダニエル・キース、ジョージ・オーウェルカポーティトールキン……)。

この記事で書いてきた作家ですが、世間一般ではすでに最高の作家だったり、「こいつエンタメじゃなくね?」とかいう人もいるかもしれませんし、どちらかというと今後が楽しみな作家では、などなど異論はあるかと思いますが、私の独断と偏見なので許してください。

 

なお、このリストは永遠に未完成です。皆様の思う「最高の作家」を、ぜひとも私にご教授いただきたく。 

 

以上です! 皆様が最高のエンタメ作家と出会えんことを!