思いつきの弾丸旅行をためらわなくてもいい心理学的(合理的?)な理由
旅行と言えば、長い時間を取って楽しむものと考えていました。
なので、週末の短い時間にやるものでなく、長期休暇を使って計画的にやるものだなあと思っていて、面倒くさがりな私にはなかなか手が出せずにいました。
けれど、予定を立てず、準備にも手をかけない思いつきの弾丸旅行も意外と悪くないのかもと考え始めました。
『ピークエンドの法則』という心理学用語があります。
われわれは自分自身の過去の経験を、ほとんど完全にそのピーク(絶頂)時にどうだったか(嬉しかったか悲しかったか)ならびにそれがどう終わったかだけで判定する
この法則によると、過去の経験の良し悪しに関わるもの二つしかないようです。
ひとつ、絶頂時にどれくらい楽しかったか?
ふたつ、終わったときにどれくらい楽しかったか?
ここで重要なことは
時間がどれだけ短くとも長くとも、後から評価する楽しさは変わらない
ということです。
ピークエンド法則の体感を考えると、時間がないからやめよう、という選択はナンセンスです。かけた時間が長いか短いか、だけでなく、体験の強烈さそのものが、楽しさの判定に関わるからです。
それどころか、日帰り弾丸旅行は、長期の滞在と比べ、準備の時間や滞在の費用がかからないという点で、コストパフォーマンスが死ぬほどいいことさえあります。
後は、日曜の午後から無謀な旅行に出かけるという謎の興奮とかもスパイスになってくれるかもしれません笑。
そういうわけで、週末の弾丸旅行は、ためらうよりも行ったほうがいいという結論に達しました。
ピークエンドの法則から見て
『コストパフォーマンスが死ぬほどよく、長期的に見た時に一番過去の経験として満足できる公算も大きい』
からです。
と、いうことを、この本を読んで考えました。
ダニエル・カールマンの「ファスト・アンド・スロー」です。
行動心理学の名著とのことで、「ピークエンドの法則」にかぎらず、どこかで聞いたことがあるような心理学的な知見が論拠となる出典付きできちんとまとまっています。
読んでて楽しいです。長いのでじっくり読まないとな、と思っていましたが(キンドルなので厚さがわからない……)、読み応えがありすぎて土日中に読み切ってしまいました……
今から弾丸旅行でも行こうかなとか思ったり(日曜21:00に記載)。とても刺激的な体験になりそうです。
後、この本の中でもいろいろな著作が紹介されていて興味の先は尽きないのですが
自己啓発本の胡散臭さを描く「The Hello effect」とか面白そうだなと思ってます。読んだ方いたら感想ください。
しかしこの本のタイトル自体がちょっと胡散臭いという……心理学とか社会学って、どこか胡散臭い感じが漂っちゃうのはなんでなんですかね。
では