狐の嫁入り

小説創作ブログ! のつもりでしたが、なんかだいぶ違う気がします……

全国の読書家へ向けた「書を捨てよ、徹底的に!」という提案

「人生がときめく片づけの魔法」を読みました。

 

どうしてかというと、片づけコンサルを皮切りに、全米で最も影響力のある人物まで上り詰めたそのキャリアがあまりに興味深かったこと。また、私は会社のイベントで本を紹介することになっていて、あまり堅苦しくなりすぎず、かつ示唆にも富むいい感じの本に思えたこの一冊がちょうどいい題材かもと考えたからです。

 

この本を読んで思ったこと。

「過去の積み重ねは現在の足を引っ張るかもしれない」

もうひとつ

「片づけることは、過去に片をつけることである」

そして

「片づけはノウハウでなく自己発見の過程である」

片づけって哲学なんだ……みたいなことを私は思いました。

 

情報が反乱する現代において、大切なことは情報の収集や集積ではなく、取捨選択して必要な情報のみを手元に残すことです。

あまりにたくさんの本を保管しすぎると、手元にたくさんあるがゆえに返って情報にアクセスしにくくなるように感じます。手元の情報が少ないほうが、新しい情報に敏感になれ、違った世界が開ける可能性がわずかばかり増えるかなあと思っています。

 

そういうわけで、全国の読書家へ向けた「書を捨てよ! 徹底的に!」特集。本の捨て方とそのポイントを、「人生がときめく片づけの魔法」のノウハウに沿ってご紹介。

 

とはいえ、ステップはたった2つです。

 

①全ての本を本棚から引っ張り出し、床に並べる

ここが最も重要なポイント。『本棚に並べたまま選ぶのは駄目」と著者は言います。曰く、収納されたままのものは眠ったままの状態であり、一度取り出して活かしてやる手順が必要なのだそう。とにかく、全ての本を、一冊残らず! 見える状態、選別にかけるぞという意思を持った状態にすることが大事なようです。片づけは物理的ノウハウでなく心構えだという著者の主張がびしばし伝わってきます。

 

②ひとつずつ手を振れて『ときめく』かどうかを確認する。ときめかないものは手放す

2つ目、これも重要なポイント。スピリチュアルっぽいですけれど、やってみると、著者の言っていることがわかります。

実際手にとって見てみると「あ、これいらない」と「これは絶対にいる!」という本がはっきり自覚できます。

私の自室にも腰くらいの高さの本棚が2つあり、漫画、小説、科学書、啓発本で埋め尽くされ空きがない状態でしたが、『ときめく』(このスピリチュアルな言い方はがあまり好きじゃないんですけれど……)ものを選んでいくと、なんと80%の本が消え去りました。まだまだ残しすぎじゃないかと、自分のときめき感度の低さを著者には指摘されそうな気もしますが……

空っぽに近くなった本棚を見て喪失感に駆られたかというとそうでなく、冊数が減って視認性が良くなった背表紙の群れを見てみると「こいつは、1ページ目を読んだらとまらなくなりそうだぜ……!」という渾身の一冊ばかりが並んでおり、たしかに本棚のときめき度(勝手な造語です)が上がった感じがありました。わりといいかもです、これ。

 

で、①・②を実行するに当たってのチップスもあります。

 

・あまりにも量が多いときにはカテゴリ分けする。

小説、一般書、ビジネス書、雑誌……等などです。

 

・「いつかやろう」「いつか読もう」の「いつか」は永遠にやってこない

今ときめかないものは全て捨てよということです。TOEIC本とか資格本、いつか勉強しよう系は全て捨てです。また、途中読みの本は最後まで読まなくてもいい、とのこと。途中で止まったということは、それ以上読む必要がなかったということです。

 私も、あまりに難しかった機械学習本、後ろだ押しにしたTOEIC本、興味が失せた社会科学本、その他積ん読本には、棚から離脱していただきました。わりとすっきりした感じあります。

 

・「ときめき」を判断する時、中身は決して読まない

中を読んでしまうと、「必要かどうか」という観点で迷ってしまい、ときめくかどうかの判断が鈍ってしまうそう。

 

・「殿堂入り」の本は迷わず残す

本当に大切な一冊、大切な本だけは残しましょう、とのこと。確かに大切な本だけが並んだ本棚はかなり満足度高い感じがします(私も実践済み)

 

と、言う感じです。

 

途中読みだったり、いつか読むかもという状態だったり……そういう本は全て捨て、殿堂入りの一冊を残していく。さすれば、自分が最も大切にしたいものが何だったのか、おぼろげながら見えてくるんじゃないでしょうか。

 

そういうわけで、「書を捨てよ、徹底的に!」でした。

本好きにはなかなか刺激的な提案ですが、「自分の最も好きな本」がとてもはっきりする面白い試みです。捨てられない人は、ときめくのだけ本棚に残して後は脇に退ける、くらいのところから始めてもいいかもです。

 

言わずと知れたベストセラーですが、元ネタの本はこちら。著者の特殊すぎる経歴には本当に驚きます。