狐の嫁入り

小説創作ブログ! のつもりでしたが、なんかだいぶ違う気がします……

「ティファニーで朝食を」を英語で聴きました。

ティファニーで朝食を」を聴きました。(※ネタバレをします)

 

読んだきっかけ

大学生のころ、英語学習をしながら小説を読みたいと思って手を付けた本です。どちらかと言うと勉強の比重が大きかったのですが、以来お気に入りの一冊になりました。

当時の私は男女絡みの浮ついたことが嫌いでしたが、いろいろあって自身の価値観の変遷を迫られており、そのタイミングで浮ついた出来事の権化みたいなヒロインが出てくる本作を読んで衝撃を受けました。

そういうわけでは、私の中ではちょっとしたレジェンド的な作品です。ちなみに始めて読んだ日本語版は村上春樹訳です。村上春樹の翻訳は本当に読みやすくて好きです……! 本人の著作はよくわかんなくて途中で投げちゃうんですけど。(ねじまき島とか1Q84とか)

で、映画の方はイメージと違ってあまり好きでなかったりします。

 

 

聴いたきっかけ

Audibleの無料キャンペーンの広告が流れてきたので、アマゾンユーザーとしてまんまと釣られました(本記事はオーディブルの悪質な宣伝です)。2019年の5月ごろだったと思います。社会人になってから英語を勉強する必要が出てきて、英会話教室に向かう車の中で聴けば英語力が爆上がりしそうと思って聴きました。アイデアは良かったですが、あまり上達してる感じはしません……「耳から流すだけ!」という学習方法はあまり有効ではなかったみたいです。

 

感想など

でもやっぱり良い本です……(英語学習にはあんまりなってないですけれど)。

「ここではないどこか」をずっと探し続けるホリーは、理想の相手を求めて結婚相手を探し回ったり、理想の仕事を求めて回ったりする「青い鳥症候群」の人そのものです。

あまりに病的な性向の持ち主ですが、その魅力的ゆえに彼女はいろいろな人から優遇され甘やかされています。麻薬犯罪に巻き込まれてなお、助けてくれる人がたくさんいる彼女は、周りを振り回して平然としている悪い女の人そのものです。

けれど、彼女に好意や魅力を覚えている主人公の視点から眺めると、そんなろくでもないやつなのにどうしても魅力的に見えてしまうのが不思議です。

最終的にアメリカからブラジルへ、そして行方知れずになったホリーはきっと永遠に幸福になれない感じがします。彼女の神秘性を損なわないように、物語として開かれた終わり方をするしかないよなあ、と思っていました。

そういう危うさの上に立った不思議な魅力を持つ作品です。