狐の嫁入り

小説創作ブログ! のつもりでしたが、なんかだいぶ違う気がします……

ビジネス/対人/恋愛……コミュニケーションに効くおすすめ心理学書

 

はじめに

私が心理学書を読み始めたのは大学三年生のころです。

そのころ、私は大学の部活でいろいろとまあ悩んでおり、また組織とか恋愛のこととかで八方塞がりという感じでした。

今思えば、学生時代の友人関係というものは、だいたい見た目と印象で決まってしまうので、たくさんお金を手に入れて身だしなみと運動能力を磨けばよかったのかも、と思っています。あの頃は難しく考えすぎて、コミュニケーション能力とか優しさとか思いやりとか、ぼんやりした何か美しいものに解を見出そうとしていました。めっちゃ勉強頑張ってた学生だったので、そんな軽薄っぽいことは当時の自分にはできなかったかも、とも思いますけど。

後、小説書くときの参考になればなあ、とか。

問題の特効薬、とまでは行きませんでしたが、じわじわと漢方薬の如く効いてくるのが心理学書だと私は思っています。胡散臭い自己啓発にドハマリして周囲を心配させたりしつつ、そこまで変な思想に偏らず(多分)、現実へと活かせそうな心理学書のストックを積み上げることが出来ました。

 

本によって、人の心へのアプローチの仕方は色々違います。が、読んで思ったことは、人間は各々の主観的な現実を生きているということ。そして、自分の認知が何に影響されているのか無自覚であること。

例えば、人は見た目のいい相手を高く評価する傾向があるくせに、自分の判断が容姿によって歪んだことを全然意識できないのです(「影響力の武器」とか「ファスト&スロー」を読むとわかります)。

そういう、「無意識に動かされる人の心」に目を向けることで、人をちょっとだけ操作できる。それもたしかにありますが、なんといいますか、人の行いをいろいろ許せたりもします。大変勉強になりますということです(適当)。

では、自己啓発っぽいものからガチ心理学書まで、特に対人関係に効く(というか私が対人関係に効きそうな本ばっかり選んで読んでいたんですけど)心理学書をピックアップ。人生のお悩みにじわじわ効く漢方を処方します。

 

①人を動かす

およそ人を扱う場合には、相手を論理の動物だと思ってはならない。相手は感情の動物であり、しかも偏見に満ち、自尊心と虚栄心によって行動するということをよく心得ておかねばならない。(第一章 盗人にも五分の理を認める より抜粋)

父親の書斎においてありそうな自己啓発本No.1、デール・カーネギーの「人を動かす」です。

自己啓発本の始祖とも言うべき本であり、書店にあふれる1000円くらいの安い自己啓発本を読むなら、この一冊を手にとって見るのが何よりもおすすめ。文庫本は715円(税抜き)です。コスト的に大変安く、内容は大変濃い。古典は最強ということがよく分かる本です。

「自己の衝動を律して他者理解に努めよ」ということが、いろいろな事例をもとにわかりやすくまとめられています。第一章を読んで気に入ったら、あとの章もきっと気にいると思います。

それだけでなく「不安の沈め方」など、セルフマネジメントについてもアドバイスも豊富。悩める方は是非一読を。 

 

 

②ピープル・スキル

 

話し手が何より強く求めるのは何より強く求めるのは、、"相手の心がここにある"という心理的実感だ。つまり、自分とともにいてほしい、心から寄り添ってもらいたい、と望んでいるのである。

 名前と表紙の通りの本です(投げやり)。

けれど、ここまで取り扱う内容がはっきり分かる本も珍しいと思います「ピープル・スキル」に、挨拶する二人の紳士のイラストですよ?

 

著者ロバート・ボルソンは、対人関係には3つのスキルが大事だとときます。

内訳は

・傾聴

・自己主張

・対立解消

の3つ。

が、ちょうどこの3つに均等にページを降っているわけでなく、本書の半分以上のページは「傾聴」に割かれています。

 

内容をざっくりと要約すると、上に紹介した一文に付きます。

「人は理解してもらいたがっている。まずはその欲求を満たすべし」

「人を動かす」 でも、傾聴し相手と感情を理解することが第一義だと述べていました。

コミュニケーションの問題になると、どの本でも(私の会社の研修でもありました)「傾聴」という言葉が出てきますが、おそらく「ピープルスキル」「人を動かす」あたりがそのもとになっている本なのかなと私は思っています。

上の二冊を読めば、今の対人関係で大事なのは「傾聴」だとされていることがとてもよくわかってきます。

今のところは傾聴が大事とありますが、ただ相手を理解するだけではうまくいかないなあと思うこともあり、またもっと発展したコミュニケーション論がそのうち出て来る(もう出てるけど私が気付いていない?)のかもなあと思っています。

ともかく、今世に出ているコミュニケーション不全についての本は、上記二冊が最も信頼できる本だと思います。

ただし、学生時代の人間関係にはあまり適応できなかったイメージ……自分が未熟だったのかもですが、やっぱり、青春時代っていうのは特殊な環境なんだなあというのが今の私の思いです。

学生時代の人間関係の改善には、第一印象を決める要素とか、サル山での生き延び方とか、もっと動物的なコミュニティ論のほうが参考になるかもと思います。ただ、今を生きる中高生にはちょっと難しすぎですね……いじめやいじりがなくならんわけだ。学校は聖域です。良くも悪くも。 

 

 

③影響力の武器 

 

どうにもならない片思いにけりをつけるために手に取ったのは交渉術の本でした。

私は恋愛と告白を交渉ごとと捉え、いかにして意中の子にお付き合いを同意させるかということをずっと考えていました。そういう意味では、この本は確かに本質をつく内容を含んでいるかもしれませんが、今思えば場学生時代の恋愛に漢方を導入するのはちょっといろいろどうかなと今では思っていたりします。

与太話はともかく、内容のご紹介。

ざっくりいいますと「営業マンの交渉」に使える心理学的な研究結果がずらりとまとめられています。ウェブマーケティングをやられている方が時々紹介されており、私が初めて読んだ頃からさらに有名になってきている感じがします。某ブロガーさんの立ち上げたコワーキングスペースにもおいてありましたし。

車ディーラーが売り上げを伸ばすために後からオプションを付ける、寄付をしてもらうために小さな贈り物を押し付ける、見た目のいい人は選挙でたくさんの支持を得る……等々、こういう「あるある!」エピソードは、心理学者が興味を持って調べ、人がどうしてそういう行動をしてしまうのかをうまくまとめています。

我々が意識的に、無意識的に使ったり使われたりしている対人関係のテクニックは、多くが調査され名前をつけられています。上で上げた3つの例も、それぞれ「フットインザドア」「返報性の原理」「ハロー効果」と、名前がついています。今までの自分の経験と照らし合わせ、納得し、これから人と会話をするときの文字通り「影響力の武器」を授けてくれる心強い本です。

 学生時代に理解しておくと人間関係が捗る(そして人が信用できなくなる)です本。

 

④ファスト&スロー

Daigoの心理学動画でおすすめされていた一冊。面白かったです(小並)。

人間の無意識の行動に鋭い洞察を与える本第二弾。影響力の武器よりもトピックスは難しく、量も多い、読み込みがいのある本です(一回しか読んでない私)。

それにしても変な題名だな、と言うのは私も思うところです。著者は、人間が物事を判断するときには、二つの意識段階を経ると考えるとわかりやすい、と提唱しており、それぞれ「システム1」「システム2」と呼んでいます。大変シンプルな名前です。

「システム1」は、見たものや聞いたものに対してぱっと反応してしまう行動を司り、(嫌いな相手を見たときにうわっと思うとか、好きな相手を見たときにどきりとするとかそういうの)「システム2」は、冷静な分析や判断が必要になる行動を司るものと考えるといろいろ捗るよ、というものです。

ファスト&スローというのは、つまりシステム1とシステム2のこと。で、「システム1」は常時稼働ですが、「システム2」は基本的に停止しているので、人間は熟考することなく直感的な感覚だけで物事を決めたり選択する傾向があるよ、という前提のもと、人の認知が歪む例をたくさん載せています。

心理学に本質も糞もない気がしますが、影響力の武器よりも数段、深いところに踏み込んだ内容になっているというイメージ。上下巻と分厚いので、行動心理学に興味があり、がっつり読みたいぜという方にはぜひおすすめです。私もそのうち二週目をしようと思っています。

 

 

おわりに

たったこれだけの冊数で長々と書きすぎました……まだ、「予想通りに不合理」とか「選択の科学」とかいろいろストックはあるんですけれど、どれもある程度重複する内容を含んでいるので、上記四冊を読んでおけば人間の行動に関するざっくりした概要をつかむことはわりかしできているんじゃないか、と思っているのでこれで一旦打ち止めにしようと思います。

人の心はわからない、と言いますが、実際は自分の心でさえわかりません。その自覚できない人の心を、客観的な観察や実験から理解して整理してくれる心理学書は、誰にも理解できない人の心を取り扱いを、ほんの少しだけ見通し良くしてくれます。

何かに悩んだときの次の一手に、こういう心理学書たちに新しい視点を求めてみるのはいかがでしょうか?

 

車に興味がないけど東京モーターショーに行ってきた

はじめに

人生で初めての東京モーターショーに行ってきました。

 

私は車があまり好きではないのですが、仕事柄周囲に車好きが多いということがあって自ずと知識はつきます。

この仕事に就くまで、フォルクスワーゲンが大衆車メーカーだということも知らなかったし、アルファロメオがカーメーカーだとは思わなかったし、トヨタとレクサスが別ブランドだなんてことにも当然全く無頓着でした。

 

参加理由としては、特に何かめぼしいものがあったわけではありません。ずっと同じような日常と仕事を繰り返していて、たまには違った環境に身をおいたらなにか面白いものが見つかるかもしれん、くらいの気持ちです。モチベーションとしては小旅行という感じ。

 

会場に到着したのは9時ごろ、外は雨が降っていて寒く、私は後日風邪を引きました……

 

 

一番の見どころ

やはりトヨタブースは見に行かねば、と思って見に行きした。

 

驚いたのは、車が一台もないこと。

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 「車を作る会社」のイメージを払拭しようという強い意思を感じるブースでした。

 

試作車(車?)としてはこんなものが。

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 なにこれ?

当日のブースは込みすぎていて説明が聞けなかったんですけれど、同じ日に参加していた上司が言うところによれば、「車の中でいろいろする」ものだそう。

移動手段でなく、「動く小さな家」というイメージです。車というものを、単なる移動手段から、そこで過ごすための空間へと変えていこうという感じなんでしょう。

それにしてもひと目で何かわかんないのはいろいろと問題な気も……ただ、こういうチャレンジングな姿勢はとてもよいと思います。

 

後はこんなのも。

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なにこれ?

空気清浄機能がついているみたいです。空港で動き回り、充電やら軽作業やらをちょっとサポートするような使い方をするのかも。

その他、車の中で健康診断するものとか、人の荷物を持つロボットみたいなものとか、「ひととつながるモビリティ」とでも言うような不思議な製品展示でした。

ちなみに、車を全く出していないわけでなく、レクサスブランドは別ブースにきちんと展示されていました。ただし見てません。

 

スバル、ホンダ、スズキ、マツダ、三菱、日産あたりは、コンセプトカー+現行モデルの紹介という感じ。こちらの紹介は省略します。

 

 

終わりに

電動化+パーソナルモビリティというのが、今の自動車業界が目指そうとしているもののようです。

また、海外メーカーが非常に少なく、新しい製品を投入する市場としては、日本はあまり魅力的ではないのかもということを強く感じます。そういう意味で、日本経済の凋落を若干肌で感じたような気もしています。

品質のいいものを安く、たくさん作ってもうけるというビジネスが通用しなくなっていく今、各社新しい何かを模索しているということを強く感じるモーターショーでした。 

 

一生に一度、死ぬまでに必ず読むべき名作小説5冊

はじめに

出版不況が叫ばれる昨今ですが、実は本の「種類」は増え続けていることをご存知でしょうか。

よりたくさんの種類の本が発行され(おそらくベストセラーを生み出すためにたくさんの銃弾を売っているんでしょう)一冊あたりの発行部数が減っており、一人の著者がその印税だけで食べていくことが難しくなっている、というのが出版界の現状と理解しています。

 

つまり、種類は多くなった故、しかもネット上には大量の文章が掲載され「読むべき本・文章がは見つかりにくくなっている」のが現状と思います。面白い小説はたくさんありますけれど、ただ大衆に迎合する要素を詰め込んだだけのものも少なくありません(私はそういう小説も好きです)。

 

この記事では、一生売ることなく本棚に保管し、読み返す度に新しい発見や感動のある本を厳選します。また、教養として知っておく価値があり、私がきっとこれは楽しめると思った本をご紹介していきます。

 

選定基準

・あまり本や映画に詳しくない人でも、名前を聞いたら、ああ、あれね、となる

・読み返す度に新しい発見がある

・面白い

・ジャンルは問わない

 

「スタンドバイミー」

 このブログの中でも度々紹介していますが、ホラー小説の帝王、キングの書いた自伝&少年の冒険譚です。四人の少年たちが、電車に引かれてなくなった(とラジオで耳にした)少年の死体を探しに行く冒険譚です。

「死体探し」というと物騒ですが、ストーリー自体は、「宝物(死体ですけど……)を探して町の外に冒険に繰り出す少年たちの成長」を描いた作品です。

この本の優れたところは、人生のどのタイミングで読んでも新しい発見がある点です。学生の頃は少年の冒険に心を踊らせ、社会人になってからら自分の人生を振り返り、そして少年たちと一緒になって冒険に出かけた読者は、本を閉じる度に新しい環状を棟のうちに宿すことでしょう。

親からネグレクトされた子ども、生まれへの劣等感、人生の段階を経るにつれ疎遠になっていく友人たち、あの頃怖かった年上の不良たち、未知の心を躍らせる少年たち。何度読んでも色あせない夏の冒険に夢中になります。

それに、有名な映画になっていることもあり、あらゆる世代の人(私も父とこの話をしました)と話が通じる点も素晴らしいと思います。

 

刑務所のリタ・ヘイワース

ショーシャンクの空に」の原作です。(画像は貼り間違えではありません)

刑務所に暮らす人々を描く、希望と絶望についてのヒューマンドラマです。

 主人公のアンディは、妻を殺した無実の罪で「ショーシャンク刑務所」に入れられてしまいます。しかしアンディは粘り強く意思を持った男で、刑務所暮らしの中で生きがいを見つけ、新人イジメには強く反抗、また刑務官の仕事(?)を手伝い、刑務所内で独自の立場を築いていきます。希望を捨てなければきっと叶う、というのが信条のアンディを、一方語り部のレッドは、運び屋としてアンディの頑張りを手伝いつつ、冷ややかな目線でその様子を語っていきます。この二人のうち、最後に正しかったのはどちらか。

「希望はいいものだ」

たったこれだけの、当たり前のメッセージが、ここまで強く心を打つラストを私は他に知りません。「困難を乗り越えれば、必ず希望はある」そのことを強く印象づける作品です。

刑務所を舞台にした小説で、ここまで底抜けに明るく、幸せで、希望に満ちた小説は他に類を見ないでしょう。

一番感動できる小説は、と聞かれたら、私は迷わずこの小説をおすすめすると思います。

(同短編に収められているゴールデンボーイはあまり好きではありません)

 

アルジャーノンに花束を

  知能手術を取り扱ったSF小説と私は認識しています。

 主人公のチャーリイは自閉症児。けれど、博士の受けた手術で頭が良くなっていきます。「アルジャーノン」は同じ手術を受けたネズミの名前です。

素直でいじめられっ子のチャーリイが知性を獲得していき、成長し、周囲に認められ、恋人もできる。けれど、ある日博士の犯した失敗に気がついてしまう。

物語の前半に流れるコミカルで楽しい成長の章からうって変わり、物語は不穏な空気に満ち始めます。チャーリイは自らの知性に悩む苦しみ、そして少しずつ自らを蝕む衰退に抗いながら、やがて絶望さえも感じなくなり全てを受け入れる。まるで、チャーリイという青年の短い経験を通して、人生の栄華と絶望を凝縮したようなお話です。

絶望と衰退を受け入れること。それは人類が誰もが経験することであり、チャーリイは、そのための準備と覚悟を私達に与えてくれます。

今回ご紹介する本の中で、一番泣きそうになった(でも泣いてはない)本です。

日本版ではドラマもあるようです。

 

「傲慢と偏見」

すべての人類が逃れられない結婚&恋愛&お金の問題をめぐり、男女がわちゃわちゃするラブコメ

結婚適齢期の五人姉妹が、お金持ちとの恋愛/結婚にばたばたします。

意中の相手と結ばれる素直な男女、望まれない恋愛で駆け落ちする男女、傲慢と偏見でいつまでもいがみ合っている男女、恋でなく社会的戦略として結婚する男女……

200年以上の前のイギリスを舞台にしていますが、その根底を流れる恋愛や結婚感は、現代を生きる私達にも見覚えのあるものばかりです。

ジェイン・オースティンは、日常の中の悲喜こもごもをコミカルなタッチで仔細に描く観察眼に定評があり、かの夏目漱石も日本の読者に向けて紹介をしていたようです。

恋愛や結婚の悩みは、はるか昔から絶えないものであり、その普遍的な真実を、綿密な描写と巧みな人物造形で楽しく読ませてくれます。

可愛らしい姉妹とその両親があれこれしている様だけでも私はなかなか楽しかったです。

最近では、辻村深月さんが本作をリスペクトした小説を発表して話題になりました(趣旨から外れるので紹介はしませんが)。

 

1984年」

現代の社会にもインパクトを与え続ける、世界で一番怖いSF小説です。

舞台は架空の歴史上の1984年。誰もが「ビッグブラザー」を崇拝し「ダニエル・ゴールドマン」なる存在するかもわからない敵へ憎悪をぶつけるよう思想を矯正されます。この世界での思想統制は徹底されており「眠っている間の無意識」を監視されたり、自由な思想を奪うために「文字を書くことが禁止」されていたり、さらに、人の思想を狭めて反政府的な思考を持たないような新しい「イングソック」という言語が開発されたりしています。そして、この物語の主人公ウインストン・スミスは、政府の誤った予測を「訂正」として改ざんする仕事をしており、その中で政府の体制に疑問を持つようになります。ある日、自分と同じ疑問を持っている仲間を見つけるのですが……

どれだけ暴力にさらされても、ひどい目にあっても、「思想と信条の自由」や「心のなかで考えること」についての自由は剥奪できません。

けれど、この小説では、その「心の中の自由な思想」すら奪ってしまうような強力な社会体制と主人公は対峙して(正確には蹂躙されて)いくことになります。

ここまで絶望的で怖い話には出会ったことがありません。感動、というのが、良かれ悪しかれ感情を動かすものだとするならば、この本は最強に人を感動される恐ろしい本です。

また、その徹底した自由排斥の政府を描く物語から、かえって現代社会で我々を縛っている常識(会社に務めないといけない、とか、社会奉仕は大事だ、とか。組織は素晴らしいとか)に、気づかせてくれる力があります。

私もこの小説を読みながら、今勤めている会社の社報を冷ややかな気持ちで思い出していました。なんか、仕事礼賛とか、過去の人々の努力礼賛とか、なんだかうさんくわいですよねえとかそういう云々……

今回オススメする本の中で、一番ショックとインパクトの大きな話です。あまりに怖すぎて、殿堂入りの一冊からはずそうとさえ思いました(今は殿堂入りしています)。

 

夜のピクニック

 日本で最高の青春小説です。

日本人の小説も好きなものはたくさんあります。ですが、一生に一度必ず読むべきとい言われたら、この本以外に思い当たりません。本屋大賞も受賞した恩田陸の名作「夜のピクニック」です。

高校の恒例行事「歩行祭」を前にした高校三年生たちのお話。メインストーリーであるボーイミーツガール(正確にはちょっと違う)を軸に、友情、恋愛、血縁、ミステリー、ホラーと、ジャンルも趣向も異なる小さな話が混ざり合って大きな物語として収束していくさまは何度読んでも圧巻です。

スタンド・バイ・ミー」もそうですが、仲間とともに歩くだけのことは凄く心を打つ。それは、日常から乖離した特別な空間で、そこで人はちょっとだけ素直になり、内相的になり、いつもとは違う自分を信じて冒険をしてみたくなるのだと私は思っています。

「ただみんなと、ただそれだけのことが、どうしてこんなに特別なんだろう」

誰にも読んでほしい名作です。

著者の恩田陸は、「蜜蜂と遠来」で直木賞も受賞した今最も熱い小説家でもあります(もちろん、それ抜きにしても「夜のピクニック」は名作ですよ!)。恩田陸フィーバーはまだしばらくは続きそうです。

 

終わりに

以上、小説読みの私が今まで読んできた本の中で「一生に一度は必ず読むべき」ものを厳選しました。渾身の5冊ということで、選び手の底が知れる部分もあってちょっと怖いなと思っています。

ここで紹介したのは私にとっての「殿堂入りの5冊」ですが、もちろん人によって違ってくるところは当然あります。全部気に入ってくれた方、きっとあなたとは一生の親友になれます。

他にもっといいのがあるぞ! という方、私はぜひその小説を読んでみたいです。

 

次に手に取る1冊の手助けになれば嬉しいです。

 

 

ゆとり社員の思う「明日は、勇気を持って定時に帰りませんか?」革命

「明日は、勇気を持って定時で帰りませんか?」

 

働き方改革にはいろいろと疑問な部分もありますが、残業を削減するという部分については滅茶苦茶同意しています。

残業カットすることで、企業としての利益も上がりますし、長時間労働で苦しむ会社員もまた、苦しい現状から解放されると私は思っています。

その理由を書いていこうと思います。

 

 

①人の作業効率は時間とともに落ちる

朝、出社したばかりが一番物事を効率的にこなせ、時間が立つに連れて疲れが溜まって効率が落ちるのは誰もがわかることです。

「1日の労働時間は、短ければ短いほど集中力の高い時間帯を仕事に当てることができる」

もし、こなすのに16時間程度必要な仕事があったとして、どちらがより速く仕事が片付くでしょうか?

①1日に16時間はたらく

②2日間にわけて8時間ずつはたらく

 

算数で考えれば①も②も同じですけれど、人の集中力は時間とともに落ちます。同じ仕事をこなすのであれば、1日でこなすより2日に分けたほうが、1時間あたりの生産性は上がります。それに、会社員の給与は時間に対して支払われるため、時短が見込まれる②のほうが人件費としても安くなります。

 

 

長時間労働は、時間あたりの人件費を引き上げる

残業代、深夜手当等、規定の労働時間を超えた労働には割増で手当が支払われます。

roudou-pro.com

 

こちらのページに詳しく書いてありますけれど、時間外労働×1.25倍、更に増えると1.5倍、深夜手当には×1.6倍。

「長く働けば働くほど、時間あたりに支払う給与も増える」

 

経営者目線で見ると、長く働かせれば働かせるほど労働に対する生産性は落ちるのに、時間あたりの人件費はかさむ。

長時間必死に働くより、速く帰宅して休んだほうが、働く人も会社も幸福になれると考えます。

また、長く働けば働くほど生産性が低下するということは、

「ひとつの仕事を終わらせるためにかかる時間もそれだけ長くなる」

ということにほかなりません。速く仕事を片付けようとして短期的な成果を求めたばかりに、長期的に見てより時間がかかっているということが、往々に発生していると思えてなりません。

頑張って働けば仕事は速く終わったように見えるのに、実質的にかかる時間はより長くなっている。ここに気が付かないでいるのは、会社にとっても会社員とっても不幸です。

 

 

イノベーションの機会を喪失する

人の一日をざっくり分けると

 

睡眠 8時間

労働 8時間

自由 8時間

 

となりますけれど、家事や生活のあれこれで自由時間はほとんどなく、睡眠時間は長時間労働や通勤時間で削られています。

この中で、勉強や新しいことに触れる機会がほとんどありmせん。。

もし、長時間労働が是正されれば、人が何かを学んだり、新しい感上げ触れたりする時間を確保できます。そこには、既存の事業の延長にはないイノベーション的なアイデアの芽がある可能性があります。

 

 

④長時間働くのは辛い。そして、更に辛くなる

②の繰り返しですけれど、ここが一番大事だと思うのでももう一度書きます。

長時間働くと集中力が落ちます。体もつらいです。そうすると、目の前に仕事もどんどんはかどらなくなっていきます。

頑張って辛い思いをしているのに、疲れ切ってしまって仕事もこなせない状態です。働けば働くほど、確かに仕事は進んでいきますが、その歩みはちょっとずつ、確実に遅くなっていきます。人は長い時間ずっと同じだけの効率で仕事をすることができません。

頑張れば頑張るほど辛くなっていく。目の前の仕事に対する責任感を果たしている実感はわくかもしれません、それは労働者の美徳とされるものかもしれません。

 

けれど、それは生産性には一ミリも結びつかない思想です。

 

辛い思いをすること自体を美徳にしているような空気を打破しないといけない。そのためには、いろいろなしがらみやルールやに反して「勇気を持って」17:30に帰宅するという決意が必要だと思っています。

ある意味、長時間労働するよりも、短期的にはプレッシャーのかかる行動です。最初のうちはつまずくかもしれませんが、誰もがそういった習慣を身に着けていけば、集中力が続き比較的捗る時間だけを仕事に当てられるようになるので、生産性は確実にあがっていくと考えています。

 

 

まとめ

長く働けば働くほど仕事の効率は落ち、会社の利益も減ります。しかも、学習の時間や新しいことに触れる機会がなくなり、イノベーションの機会も失う。

会社の利益は低下し、イノベーションは起きず、労働者は疲労していく悪循環です。

 

働けば働くほど、一つの仕事を終わらせるためにかかる時間はさらに伸びます。会社は生産性の低下した労働力に高い賃金を支払うことになり、労働者は頑張れば頑張るほど、疲労により非効率になっていく仕事で自分の首を締めることになります。

 

その悪いスパイラルを打ち切る第一歩として、明日から、勇気を持って17:30で帰るという小さな革命を実行してみませんか。

納期に間に合わないかもしれません。プロジェクトが遅延するかもしれません。ですが、そのプロジェクトは、本当に納期通りに収めないと利益にならないものでしょうか?

 

立上が一ヶ月後遅れたことによる機会損失と、非効率な長時間労働で発生した過剰な人件費と、いったいどちらが大きいでしょうか?

 

私の命題はここにあります。私は、非効率な長時間労働で発生した過剰な人件費が、納期遅延による機会損失を上回ると思っています。数字で出せるようなものではないかもしれません。けれど、幸福な働き方の第一歩になる問いかけと思っています。

 

そういうわけで皆様、明日は、勇気を持って定時に帰りませんか?

スマートフォン代が月1000円以下になりました

ずっとほったらかしにしていた通信料金見直しをしました。

 

料金見直しの結果は?

 見直し前

料金:6000円/月  (ワイモバイル)

 

見直し後

料金:980円/月 (LIBMO)

 

MVNOはやっぱり凄く安い……見直して良かった。浮いた5000円は、S&P500連動型のファンドに毎月ぶち込んで年利7%運用を目指そうとしています。

 

 

デメリットは?

・通信料が6GB →3GBに減りました 

スマホを使いすぎないよう自ら通信料に制限をかけていくスタイル。通信の快適さは変わりません。

 

・故障保証がなくなり(なくし)ました 

今のスマートフォンを2年以上使っていますが、今のところ壊れたことがないので不要な特典

 

・10分間かけ放題がなくなりました

通話は20円/30秒。高い……のか? どちらにせよLINE電話メインなので問題ないかなと思っています。

 

終わりに

ずっと感じていましたが、スマートフォンはどんどん安くなっています。乗り換え違約金も発生しなくなっていますので、通信各社のニュースは今後も継続観察しまして、固定費は最小限におさめて行きたいと思います。

何度も言っていますが、KDDIの株式購入はどのタイミングにしようかなあ……それよりJNJに今は惹かれていたりしますけれど。

残業したら、1分につき10円の罰金

最近は仕事が少ないので、勇気を持って17:30に(ときにはフレックスを利用してそれよりも前に)帰宅している。

今日も17:30ぴったりにパソコンの電源を落とし、英会話の授業を受けてきた。楽しかった(小並)

 

英会話教室に向かうすがら、まだ職場でパソコンに向かい合っているオフィスの人たちの顔を思い出す。私も典型的な日本人なので、自分ひとりだけ職場の外にいることに若干ながら後ろめたさを感じる。

だらだらと居残っている人もきっといるんだろうけれど、どうしても納期がきつい仕事に追い立てられて長時間労働を強いられている人もいるかもしれない。

そういう仕事のボリュームが可視化されてないのがよくないよなあと思いつつ、車を走らせる。走る度にガソリンが減り、英会話でつまらん雑談(英語)をする。私の懐からは、時間がすぎるにしたがってマリオカートみたいにお金がばらまかれている。

けれど、もし残業をすれば、時間が伸びれば伸びるほど手元に残ってくるお金が増えていく。これは凄いことだ。時間に対して比例するご褒美。だから残業が止められない理由のひとつだ。

仕事への義務感と残業代のインセンティブ。残業する理由にはなっても、残業をしない理由にはならない。この二つが残業文化の根っこにあると思う。

と、そこまで来て、ふっとこんなことを考えた。

残業代のインセンティブがなければいいんじゃないか。いや、それじゃあ足りない。こんなのはどうだろう。

 

「残業したら、1分につき10円の罰金」

 

残業すればするほどお金が増えるという状況を消し去ってやるにとどまらず、むしろ悪いこととして罰金を取ればいい。

もしそういう世界が実現したら、きっと(という絶対)残業は激減するだろう。なにせ、働けば働くほどもらえる給与が減るのだ。

もし、今週中に片づけなければならない仕事があって、明らかに残業が必要になった時、その担当の人は残業をするだろうか? 

 

義務感 VS 損失。

 

規定の労働時間を超えてしまった担当者は、時間内に片づけられなかったことで自分を責めるだろうか? いや、そんなことはない。彼は、1分毎に10円の罰金という責をすでに受けているのだから、わざわざ自分の落ち度を責めなくていいはずだ。

残業がかさみ(給与は減っていく)それでも強い義務感で自分の仕事を進める彼も、「残業代」というご褒美がなければ、きっとこんなことを考え始めるに違いない。

「この仕事は本当に意味があるんだろうか?」

「この納期は守る必要があるんだろうか?」

「上司の仕事割り振りが間違っていたんじゃないか?」

「そもそも、経営者が効率的に利益を挙げられる事業を作る努力をしていないから、その尻拭いをさせられているんじゃないか」

 

そうして彼は反旗を翻すだろう。

「こんな仕事は止めてやる!」

義務感もあり、与えられた仕事を果たそうという熱意もある。無茶な仕事を放り投げたとしても、彼が解雇される理由としてはあまりにも弱い。

職場は辞めず、仕事は止める。おそらく彼の担当する取引先は、物の不良とか、資料の不出来とか、納期遅れで激怒するだろう。最終的には取引を打ち切るかもしれない。賠償金がふってくるかもしれない。

今まで、利幅の少なく時間ばかりかかる仕事ばかりをあてがい、社員の責任感と頑張りに甘えていた経営者も、仕事が全く回らなくなった状況になってようやく考えを改めるだろう。

「もっと仕事量に対して利益率が高い事業を作らないと」

会社の利益体質を 抜本的に変えに行く必要に迫られるはずだ。

 

末端社員が労働力を提供しなくなった結果、限られた労働力から出来る限り利益を生み出せるような組織構造なり新規事業を立ち上げる機運が高まっていく。

 

そうして、利幅の小さな仕事に対して人間が頑張るのではなく、人間の頑張りに合わせて利幅の大きな仕事を作るという幸福な世界が生まれたのだった。

 

 

……みたいなことを考えてました。

台風、地震、停電対策に、ホンダとヤマハの発電機

自然災害への備えが本当に大事だということがはっきりわかってきました。

ということで発電機の購入を検討しています。

 

作っているメーカーはいろいろありますが、トップメーカーだとホンダとヤマハ

使い方と選び方も両者ホームページに凄く詳しく書いてあります。

 

それぞれ販売している発電機はこんな感じ。

 

ヤマハは青、ホンダは赤。この対称性はなんかかっこいいな……!

HONDA 小型発電機 EU18iT1 JN

HONDA 小型発電機 EU18iT1 JN

 

 

 

おすすめ機種も紹介しています。 (レイアウトめっちゃ似てる)

www.yamaha-motor.co.jp

www.honda.co.jp

 

と、私の書くことがほとんどない……私はヤマハのガスボンベ式のがほしいのですが、15万か……たけえな。

www.yamaha-motor.co.jp

 

ホンダ製も同じくらいします。

 

うかつには手を出せないレベル……ちょっと家族が出来たら考えようと思います。

 

企業ホームページが凄く充実してて書くことがなくなってしまったことは秘密です……