狐の嫁入り

小説創作ブログ! のつもりでしたが、なんかだいぶ違う気がします……

【2018年】タイムトラベルする恋愛もの9選! 恋愛×時間遡航は物語の一大ジャンルだ!

未来のミライ」という映画の評判があまりよろしくないようです。私も未来や過去とか、いかにも時空を超えそうなフィクションにはちょっとお腹いっぱいになってしまったので、なかなか見に行こうという気力を奮い起こすことができていません。そのきっかけになったのは言わずとしれたあの「君の名は」です。

高校生の恋愛と時間のあれこれをからめたストーリーに、やはりフィクションというのは過去のアイデアの組み合わせなのだと感じました。

上映が終わって興奮冷めやらぬ高校生たちに

「この映画はあの作品のパクリなんだぞ!」と叫びたい気持ちでいっぱいでした。

あの作品、と言って、思い当たる小説が数十個思い当たる猛者もいれば、「え? そうなの?」という純粋な方もいらっしゃるかもしれません。

 

そういう方が次に見る類似映画として、そして私のフィクション受容歴を振り返る意味で、私が勝手に「時を駆ける系恋愛物」と呼んでいるフィクション群を、2018年現在で知る限り上げてみたいと思います。私も、学生の頃はこういうお話が大好物でした。おそらく、こういう話は今後も量産され続け、純粋な中高生を(その心を持った大人たちをも)虜にし続けることでしょう。

 

①君の名は

f:id:youmizuno:20180727005833p:plain

説明不要の超有名作。2016年公開、監督は新海真。もう10年前に見ていたら私は、「携帯の年号表示見ないなんてどんなおっちょこちょいだよ」みたいな余計なことは考えずに、きっとテレビの前で十周はしていたでしょう。過去や現在に飛ぶ、という単純なタイムリープ物ではなくて、現代っぽくちょっとひねりを入れた設定です。

 

時をかける少女

f:id:youmizuno:20180727010301p:plain

レジェンドです。この広告を見るだけで目の奥がちょっと熱くなる気がします。2006年7月公開。高校生の夏休みに、リビングでこの映画を見た衝撃は忘れられません。原作は筒井康隆、監督は細田守です。筒井康隆のちょっと古い小説を、まさに当時を生きる高校生達に当てはめて新しく生まれ変わらせた名作だと私は思っています。

「未来で待ってる」

「すぐ行く! 走っていく!」

は、この二行を書いているだけで耳の奥にこのセリフが響いて、背中がぶるりとします。

 

……どれだけ速く走っても真琴が千昭に会えないという事実はご愛敬。

この後、細田守は「サマーウォーズ」を発表しました。私は、実家の近くにあったTSUTAYAで小説版を買いました。が、読んでみてなんだかなあ……と思った記憶。やっぱり軸になる思想って大事。

 

③僕は明日、昨日の君とデートする

f:id:youmizuno:20180727011312p:plain

またまた高校生の大好物っぽい映画です。2016年12月公開。

実は私は映画を観ても原作を読んでもいないのですが、会社の同期が原作を読んでめちゃくちゃ感動したらしく、昼休み中に語ってくれました……が、よくわからずに相槌ばかり打っていました。なんか違う時間軸を生きる二人……みたいな話だった気がします。詳細はわかっていないですが、ストレートなタイムリープものというより、ひねりを加えた亜種のような映画みたいです。君の名はでお腹いっぱいになっていたのと、いかにも恋愛!という感じが苦手でちょっと手を出せずにいました。

原作者の七月隆文さんが黒歴史を塗りつぶそうとしているらしいという噂はどうなんだろうか。

 

いま、会いにゆきます

f:id:youmizuno:20180727011957p:plain

原作市川拓司の小説。当時の私はまだ高校生で、学校の図書館で借りて読みました。いかんせん夫婦と子どもの話ということで、みずみずしくイノセンスな文体に惹かれたものの、登場人物の気持ちが子どもの自分にはよくわからなかった一冊です。

内容説明できなくてごめんなさい……今読んだら号泣できるかもしれないです。

 

魔法少女まどか☆マギカ

f:id:youmizuno:20180727012454p:plain

これは違う? そう思いますか。私もちょっと迷いました。なんとなく思い当たったものは全部書いていく感じで許してください。

「三話まで見ろ」

と友人の自宅で録画したものを見てガチハマりし、その後は毎週の放送を犬のごとく楽しみに待っていました。最終回一個前の回が、震災で延期になったこともあってものすごく記憶に残っています。

これは恋愛と言っていいのか否か。まあ、時を超えてまで会おうとする思いの強さ恋愛らしいものと思っていい気がしているので許してください。

 

涼宮ハルヒの消失

f:id:youmizuno:20180727013007p:plain

方向がちょっとずつぶれてきました。

軽い文体と軽いノリで、時々シリアスなこともやるエピソードの匙加減がいい感じでした。どの巻もそこそこ楽しめますが、やっぱり最高なのは、第四巻「涼宮ハルヒの消失」でしょう。時を超えて会う、という大枠で、「主人公が否定し続けていた非現実的な出来事が、すべての物語の起点になっていた」という壮大な話です。初めて知ったのは原作ですが、当時の私は死ぬほど衝撃を受けました。

消失の映画を見たのは最近ですが、めちゃくちゃ面白かった……思い出補正の力は偉大です。

「照れてる長門さんがめっちゃ可愛い」

みたいなことを、放課後の武道場でにやにや話してきた友人のことを今でも思い出します。

どんどん恋愛や解説から遠くなってる気がしてきた……ハルヒキョンの関係は、なんだかんだ言っても10パーセントくらいは恋愛要素を含んでいると思っています。

 

プロポーズ大作戦

f:id:youmizuno:20180727013602p:plain

さて、やっともとの進路に戻ってきました。長澤まさみと山Pが出ていた2007年放送の月9ドラマ。内容詳しく覚えてないけれど、これは

「今を後悔する大人の男が過去に戻って人生をやり直す」

話です。これも一種の時を駆ける系恋愛物だと勝手に思っています。

桑田佳祐の「あーしーたーはれーるかなー」

のフレーズは死ぬほど有名です。今でもたまにカラオケなんかで耳にすることがあります。

 

⑧青春のアフター

f:id:youmizuno:20180727021552p:plain

可愛い絵柄でエグいドロドロをやる話。リアル感のない、エロゲーっぽいドロドロと甘々と人物の可愛さです。後半は時間軸があちこち飛んで整理が大変です。

巻数も短いのでお勧め。漫画が一個もなかったので苦し紛れにぶち込んでみました。

 

⑨リフレイン

f:id:youmizuno:20180727015142p:plain

急にマイナーなものに……と自分でも思います。2017年12月にフジテレビで放送されたドラマです。シナリオコンクールの大賞作品です。

「君の名は」と「明日の僕は……」っぽいなあという感じを受けます。ただ、時間移動のルールにはやっぱりひねりを加えています。作者は、デートの奴と君の名はを両方見てるのかもなと思っています。ちなみになかなか面白いし無料で読めるので、「フジテレビ シナリオ」とかで検索するといいと思います。

なんでこいつを選んだのかというと、一番最近読んだ時を駆ける恋愛物がこのシナリオだったから、それと、こういう風にして、過去に作られた時を駆ける恋愛物が、新しい時を駆ける恋愛物を生み、未来へと物語の骨子が受け継がれていくんだろうなあ、と、うまく記事をまとめられそうだったためです。

 

さて、うまく落ちたところで、ここまでで終わりにします。ちなみに私が「君の名は」

を見てパクリだ! 揚げ足を取りたくなるきっかけになった作品は上にありません。そいつは乙一の「君にしか聞こえない」という短編です。気になった方はぜひどうぞ。

この作者はあとがきで「似た洋画に後から気付いてパクリだと言われるかと思った」と書いています。

つくづく物語とは、いろいろなエピソードや設定の職人的な配列なんだなあと言うことを思う次第です。

 

…長くなりました。

 

ZOZOスーツが来た【後編】

【前回の背景】

ZOZOスーツが来たので採寸した。計測後、自分のサイズに合う(らしい)Tシャツとデニムを広告画面でお勧めされたので、言われるがままに購入した。

私は自分の体形を把握し切れていないので、ZOZOスーツの計測とZOZOタウンの被服フィット技術にすべてを任せて注文を決意した。

 

【結果】

注文から四日後に商品が到着した。

デニムパンツ・・・きつくて一番上のボタンが留められなかった。

Tシャツ・・・怖いくらい体にフィットした。ただ、いつも選ぶものよりも小さめのため、着るときに破れるんじゃないかなという心配が一瞬だけ頭をかすめた。ただ、普段の使用には十分に耐えるサイズ感だった。

f:id:youmizuno:20180725185102p:plain

 

【採寸結果との比較】

採寸結果と実際の服の寸法を比較してみる。

◎デニムパンツ

ウェスト:73 (計測結果:68.8)

ヒップ :91 (計測結果:87.4)

総丈  :99 (計測されていない? 身長と体重は基礎データとして入力済み)

→デニムパンツは腰骨のところまでしか入らなかった……計測結果に対して五パーセントくらいの大きさにしてあわせているみたいだけれど、縦の長さが足りない。足首からウェストまでの長さを考慮していないのだと思う。おそらく、ZOZOスーツの言われるままパンツを買った人は、丈が合わなくて困っているんじゃなかろうか。どうだろう。Twitterやらブログやらを調べようと思うけれど止めた。

 

◎Tシャツ

胸囲:95 (測定結果:82.1)

肩幅:40 (測定結果:41.9)

着丈:65 (ー)

→測定結果に対して小さめの肩幅のもの選ばれている。ぴったりフィットしたような気分になったのはこのせいだったか。けれど、Tシャツがフィットしすぎというのもちょっと気持ち悪い気がする……いや、そもそ肩幅はちょっと小さいものを選ぶものがセオリーなのか・・・? 疑心暗鬼すれども答えは出ない。

でもやっぱりちょっとはゆとりのある奴がいいなと思った。

 

ちなみに採寸の結果はこんな感じ。上にも書いたが、身長と体重は基礎データとしてアプリに提供済み。

f:id:youmizuno:20180725185502p:plain

 

【所感】

これからはサイズのことなんて考えずに、何を着るかさえ誰かにお任せできる! 服のことを考えなくてもいいなんてすごい時代が来た! なんて思っていたけれど、やっぱり現実は厳しい。これから試着のデータをどんどん蓄積して、精度をあげていく途中なんだろう。一消費者としては、そういうシステムが社内に構築されており、たくさんのデータが集まり、今まさに精度をあげつつあることを祈るのみだ。

 

【結論】

そういうわけで、顧客としての所感をフィードバックし今後よりよいサービスを受けるため、そして返金してもらうため、デニムパンツは返品することにした。そもそも着られないから持っていても仕方がない。

服に関するもろもろををお任せできるようになる時代はきっと来ると思うし、そこを皆目指しているのだと思うが、今の時点では実店舗で試着するのが一番いいなと思った。

 

Tシャツは普通に使おうと思う。

ZOZOスーツが来た【前編】

【購入のきっかけ】

私は死ぬほど細身でやたら縦に長い。そのため、服のサイズ選択には常に迷いがあった。自身の体形を数値化しておくことで、その迷いが払拭できる可能性があると考え、ZOZOスーツの導入を決定した。

 

【購入~入手まで】

購入・・・半年くらい前(多分)

手元に届いた日・・・7/20(金)

 

面白い試みだけれど、大勢に配るとなると、新規技術の開発とは違った難しさがあるんだろうなあ…と思うのはメーカー量産開発の仕事に携わった苦い経験からだろう。

 

【結果】

こんな感じで自身の体形が把握できた。

f:id:youmizuno:20180721143610p:plain

 

【測定】

こんな格好をして、カメラの前でくるくる回転させられた。

f:id:youmizuno:20180721143849p:plain

 

【効果】

オーダーメイドで服売るよ! と広告が出てきたので、お勧めされるまま

Tシャツとテニムパンツを購入した(合計5000円)

 

【後半の予定】

配送された服を試着し、着心地を確認する(七月中に発送されるそうだ)。

また、上で得られた結果をもとに最適な服のサイズを検討する

【視聴済】ROOM

弊社では一定以上のTOEICの点数の取得が推奨されている。だが、私の周りに英語に力を入れている人はほとんどいない。グローバルがどうのこうのと言う話を、もう雑音と勘違いするくらい聞かされてきた昨今、それでも仕事は進むのだから別にもう勉強とかいいんじゃないか、という気持ちにもなる。

 

が、自分には映画文化の最先端であるアメリカの書籍や物語を、日本にいる誰よりも早く手に入れたい。そういうわけで、私の趣味の充実のために英語学習は欠かせない。スタンドバイミーや嵐が丘やフィリップマーロウものを英語で楽しむのだ。

そこで役に立つのは何か? そう、我らがAmazon様であろう。そこそこ面白い映画の英語版をただで見られ、kindleを使えば英和辞書をぺらぺらせずとも単語の意味がわかる。なかなかいいではないか。

 

ルーム(字幕版)

 

と、言うわけで、Amazonで「ゆるキャン△」を見ているときにふっと広告に流れてきたのがこれ。実際の母子監禁事件を題材にした映画だった。

タイトルの一面に映る二人が、七年間の間父親に監禁されている、という状況から物語は始まる。母親はともかく、子供は生まれてから五年間を、ずっと小さな部屋の中しか知らずに過ごしてきたのだ。そういう子供が外の世界を知った時どういう反応を示すのか? ということは、凄く興味のある題材だ。

私がこの作品をざっくりと勝手に説明するなら、狭い世界を脱出して大きな世界を知ること、と、そのために必要な勇気について描いた話、という感じになるだろうか。

 

月並みな話だが、無知な誰かが新しい何かに刺激を受けてその行動や考え方を変えていく様を見ているのは、凄く面白い体験だなと感じた。

【読了】Homo Deus

これは新しいSF小説だ!

というのが率直な感想です。

 

二年くらい前に話題になった「サピエンス全史」という本があります。

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

地球上に原始生物が生まれてから、そいつが進化を遂げ人類が誕生し、そして人類がいかに社会を作り上げていったかの概要をざっくりと説明してくれるいい感じの本です。

自分はこの本を受けてかなり感銘を受けまして、しばらくネットでいろいろしばらく探し回った最後に表題の本を見つけました。

同じ著者の次作です。そのタイトルが 「Homo Deus」

サピエンス全史が古代から現代までの歴史の概要を説明しているのに対して、Homo Deusでは、今後人類社会がどうなっていくかについて、現在主流になりつつある技術や思想をもとに考えうる可能性を示そう、という態度で書かれています。原著はヘブライ語らしいです。自分はkindleで英語版を買いました。今年の八月には日本語版が出版されるそうなので、後半年後くらいにはネットでちょっと話題になるかもしれません。

Homo Deus: A Brief History of Tomorrow

 

さて、何となくタイトルからして胡散臭い感じのする二冊の本です。確かに極端なぺシミズによりすぎとは思いますが、題材が題材なので、著者も記述や考察に客観性を持たせるために苦労しているようです。

読者としては、本の中で取り上げられている面白いエピソードや歴史的な事実の中で興味を持ったものを皮切りに、いろいろ調べて未来予想してみたり、新しいものは自分の生活に取り入れてみたりするといいかもしれません。

この本の中では、バイオ技術やIot、人工知能の最新の研究事例やそれによってできることがいろいろと列挙されていて、それをきっかけに調べてみるだけでも結構楽しいです。

人間の寿命延長、IoTによるクルマ総台数の削減、人工知能普及による判断業務の代替、なんかが自分としてはホットな話題です。このあたりの技術には、だいたいGoogleがかかわっているのだから驚き。この本を読み終わった後は、ああ、面白いSF小説だった、と思うと同時に、もしかしたらGoogleが世界を支配するかもな、みたいな気持ちになれます。

 

わりと平易な英語で書かれているので、暇つぶしの英語学習の際にはぜひ、という本です。

【視聴中】宇宙よりも遠い場所

アマゾンプライム会員としてはプライムビデオを利用しない理由はない。

そういうわけで、最近の自分のサブカル文化の受容はほとんどアマゾンを通したものになっている。本にしても動画にしてもだ。

 

タダとは言えクオリティは高く(ただし、kindle unlimitedの無料本の品ぞろえは非常に良くないと感じる)、暇潰して見始めてガチハマリしてしまうことは少なくない。つい昨日もそうだった。日曜の就寝前にふっと、それこそ魔がさしたというものだ。

 

そして思った。自分はこれまで馬鹿みたいにキラキラした青春ものを腐るほど読み、視聴し、やっとこさいい大人になったかと思ってもまだ懲りないのだ。

 

 

【Amazon.co.jp限定】 宇宙よりも遠い場所 1(第1巻早期予約特典:アニメ描き下ろし「キマリのA3クリアポスター」付)(全巻購入特典:アニメ描き下ろしイラスト使用B1布ポスター 引換シリアルコード)(イベントチケット優先販売申込券) [Blu-ray]

仲良し四人組の高校生が描かれた一枚絵を見て、青春物はもううんざりだと何度思ったことか。

 

 「女子高生が南極に行く話」

という触れ込みはなんとなく知っていたが、自分は「高校生が南極なんてどうやっていくんだろ」ということをボヤっと感じてそのまま流してしまうだけだった。

 

主人公キマリは、「何をしたいのかわからないけど何もできないことがもどかしい」という、誰もが共感できてしまうような悩みを抱えたまっすぐな高校生だ。こいつが、中学生のころから「南極に行く」と周囲に公言してはばからない淵沢報瀬(何と読むのか自分はすぐ忘れてしまうのだが)に共感するところから物語が始まる。

周りの人に変人扱いされても自分の意思を曲げない同級生の夢に共感して、主人公がちょっとずつ前に踏み出していく様は、ベタベタだけれどやっぱり凄くいい。あれこれ目の前の展開に振り回されているうちに、周りに夢を志す仲間が集まってくる展開もいい。

そうこうしているうちに、やっぱ青春ものはいいわ、とあっさり懐柔されてしまう。我ながら単純すぎる。

それなりの挫折と努力の末に、彼女らは偶然みたいなきっかけで南極行きの切符を手にしかける。実際に手にしたかどうかは未視聴だからわからないが、多分いろいろあった末に南極までたどり着いてしまうんだろう。OPソングも南極で遊ぶ四人組(実際の観測員が見たらちょっと怒るんじゃないか?)という感じだったし。

とはいえ、やっぱり高校生だけの力で南極に行くなんてことは難しい。やはりご都合主義的、都合のいい偶然はいくつもあって、アニメ上の話を進める上ではそういう製作上の工夫はどうしても必要になってくるようだ。ただ、そんな中でも、各々のキャラクターが葛藤を乗り越えて、それでちょっとずつ成長しお互いを信頼していく様に共感してしまって、物語上の作り物なんか気にならなくなってしまう。

いろいろな偶然が重ね合わさった目まぐるしい展開を追いかけているうちに、なんだか自分も南極行きの切符を手にできるような気分になってくる。

自分はもうすっかり大人だというのに、青臭く夢を追う情熱は常に持っていたいな、という気分にさせられた。

青春の魔力から逃れるのは、多分いくつになっても難しいんだろうということをこの話からは強く感じた。見終わりたくないアニメの一つになりそうだ。

【読了】「若者」をやめて、「大人」を始める

 

「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?

シロクマ先生のブログをちょいちょいチェックしている。

 

シロクマ先生、なんていう親しみを込めた呼び方をするほど相互の関わりがあるわけではないのだが、おそらくこの名称がブログ界隈では一般的な言葉になっているようなので、この言い方をそのまま使おうと思う。

 

自分がいつもシロクマ先生のブログをチェックしているのは、多分、自分もこんな感じの大人になるんじゃないかなあ、というボヤっとした感覚があるからだと思う。サブカル方面の趣味を持ち、自身の専門知識を深めて仕事をする。おそらく学生時代はちょっとさえない(違ったらごめんなさい、でも、サブカル方面に進路をとる人はだいたいそういう感じな気がする。というか、自分がまさにそうだからだ)

 

シロクマ先生曰く、二十代の後半はまだまだ伸び盛りで、人生の一転させる機会はどこかに転がっているという(……文面違うかも)。そういわれればその年代の人間としては、自分の将来に未知なる可能性を感じてわくわくしてしまわないわけにはいかないが、それだって一種の幻影かなと思う。

 

就職を決めた段階で、自分の人生がどうなってしまうかは、だいたい予測できてしまうんじゃないか?

 

自分の会社は平均年齢がだいたい三十歳前半。去年一年、一緒に仕事をしてきたチームの年齢はこんな感じだ。

60代、50代、30代後半、30代前半、20代(自分)、20代

の6名。なんと、幅広い年齢が分布しているじゃないか。

 

自分の今まで所属してきた組織は、年齢の偏りがある場所ばかりだった。

小学校から高校、大学の部活動、アルバイト、研究室。

学生と先生。社会という大きな枠組みで見れば、年齢分布の両端からひょいひょいとサンプリングしてきて狭い場所に押し込めたような感じだ。

学生時代に出会った大人はごく少数だ。大学の先生、なんていう、なかなか珍しいタイプの大人。あとは両親。しいて一番一般的な大人と言えば、大学の部活動のOBか。生意気な話だが、学生の頃は、部活動のOBみたいな人には一番なりたくないな、と思っていた。せめて大学の先生だろう、と。自分は学生の頃の自分を裏切って、ぬるぬると社会人になり、糊口をしのぐために自分の夢とは正反対の職務に一日の時間の大半を費やしている。それはそれでそこそこ面白いのだが。

 

学生のころは、社会に生きる大人との接点がほとんどなかった。だから、自分の想像の中で、地に足のつかない大人のイメージをいくらでも作ることができた。大学院の二年生のころ、やたら就職をしたくないと思っていたのは、多分、就職したら自分の人生の進路が固まってしまうことを無意識に恐れていたからだ。

 

自分の人生はまだどうなるかわからない、が、だいたい、人生ゲームみたいに、こうなるであろう可能性はすべて自分の前に示されているように見える。

結婚と昇進と出産(生むのは自分ではないが)というメインのイベントが三つあって、そのメインのイベントは、それぞれが無数の選択肢を持っている。その無数の選択肢も、おそらく、自分の会社の先輩のうちの誰かが選んだ進路と死ぬほどよく似ているだろう。結婚という選択肢を捨てて子どもを授かる可能性が消えることだってある。そういう人も会社には探せばいると思う。

 

自分はまだ、十代のクソガキが持つような、特別でありたいという願望を若干心の片隅に持っている。と、同時に、どうやったらそれを捨ててしまえるかといろいろ試しつつある。それと、ほん少しだけ、まだ特別になれるんじゃないか? という淡い希望を持って小説を書いていたりする。

⇒晒してみました 18/9/1追記

youmizuno.hatenablog.com

 

自分は宝くじを毎回買う両親に「そんなの意味ないっしょ。雷に打たれる確率のほうが……」とか小賢しいことを言っていたが、自分のやっていることもそれと同じだ。やっぱり、何か特別なことが起こるんじゃないか?っていう期待は、簡単には捨てられないんだろう。自分より何十年も生きている両親がそうなのだ。

……さっそく、自分の将来の心の在り方が、周囲の大人の行動から簡単に予想してしまえたじゃないか。

 

後はおそらく、社会構造とか周囲の環境によって決まってしまった謎のレールに乗って、一生を終えるだけなのかなということを感じる。それを幸せだと思って生きることも悪くないかなと思うけれど、いっそ全部振り切って落ちるところまで落ちてみたほうが楽しいかもしれないと思う。が、これまでの人生経験から言って、自分がそんなばくちめいたことをするとは思わない。

 

若者にフォーカスを置きつつ、人生全体を眺めるような本を書いてしまう著者は、やはり若者文化に偏りつつそれだけじゃだめだ、と思ってしまうサブカル好きな人なんだなあということを勝手に思っています。

 

本のレビューを書くつもりだったが、なんだかよくわからない文面になってしまった。

……若者から大人まで、自分のライフプランについて、こんな風につい考えさせられてしまういい本でした。