ぶっちゃけ村上春樹はよくわからない
ハルキストが騒いでいるのを見ては「ハッ」と斜に構える学生時代を送ってきましたが、社会人になって丸くなりました。
ただ今読んでも
「何が面白いのかわからんぞ……?」
となるので困ります。
私が読んだ春樹作品は以下です。
「海辺のカフカ」
主人公がなぜが重い石をずっと動かそうと頑張っていて「???」となった記憶があります。
「1Q84」
未成年とS○Xって、あんまりよくないんじゃないかなあ……二巻までで挫折しました。
「ねじ巻き島クロニクル」
変な生き物の話をずっとしてたわりに全然出てこなくて「???」となっていました。
「色彩を持たない多彩つくると巡礼の旅」
これはちょっとわかりました。エピソードというより、誰も指摘しない事実(「自己啓発セミナーは社会への忠誠心を上げてしかも金を取る仕事だ」みたいな)を書いているところが好印象でした。
いつか「村上春樹の楽しみ方」という記事を書きたいと思います。
小説の続きが書けない理由
いろいろ思い当たるのはこんなところです。
ひとまず、原因に名前をつけましょう。
①書くものがない
そもそも、料理するにしても材料がないというパターン。物語を構成するものは「人物」と「アクション」であり、アクションの元には必ずバックグラウンド「登場人物の人となり」が存在します。
必ずしも事件やイベントでなく、例えばその人物がどんな人か(性別、友達の名前、嫌いなこと、今の悩み等など分解していけばいくらでもあります)がよくわかっていない。
⇨対処:
主人公の悩みや屈託を最初に考えましょう。
そうすると、ひとまず解決する課題ができるので、物語を転がすきっかけになります。主人公の行動や書きたい場面に合わせ、適宜人物や背景を追加していくといいと思います。
②書き方がわからない
頭のなかに人物の具体的な姿があり、終わりまでの道筋も見えている。だけどどうやっていいかわからない。そんな人がいるとするなら、物語のフレームワークを使ってみるのがいいと思います。
⇨映画脚本の本を読んだり、小説講座に通ってみたりして、書くための手続きを習いましょう。
イマジネーションがあれば、後はフレームに乗っ取り書くだけです。
ストーリーのフレームワークは映画脚本の本を参考にすると手っ取り早い気がします。
③恥ずかしい
これはある意味一番の敵
⇨自分を馬鹿にする人の顔を具体的に思い浮かべて紙に書き、ゴミ箱に捨ててみる。
ふわっとした悩みには、こういう一見スピリチュアルな手法が効力を発揮することもあります。
描けない原因としては、
①材料の不足
②技術の不足
③心理的な抵抗
の三つがあるかと思います。
自分がなぜ書けないか? と悩んだとき、その原因はこの三つのうちどれに近いだろう? と考えると、意外とヒントになるかもしれません。
「小説が書けない……」という悩みに「とにかく書け」というのは何も答えていないのと同じである
私は大学時代に体育会のマネージャーをやっており、こんな名言を聞きました。
「できるできないじゃない。やるんだ」
心の持ちようとしては正しいですが、あまりに脳筋です。
スポーツだけでなく、こういった状況はあらゆぶ分野で散見され、小説もそう。小説講座の講師が
「書けないといっているやつに言えることは何もない」
だなんて! 駄目のコーチの典型です。
「その問題は難しくてできません!」と言っているのと同義です。
こういった問題へは、
①問題に名前をつけ
②原因を探り
③対処法を探る
というアプローチが一般的です、②ができれば問題の八割は解決したも同然ですが、世の中の八割のことは②のフェーズを脱することができないというのもまた事実。そこが仕事人の腕の見せ所です。
小説が書けない理由については、なんとなくその正体がわかってきた気がするので、そのうち書きます。
頑張ります。
趣味がない人のための趣味の見つけ方
学生から社会人まで誰でもご参考に。
①図書館に行く
本がたくさんおいてあるので、一番最初に目についた小説を手にとってみるといいと思います。ひとまずカードを作りましょう。
コスパは最強です。
②ランニングする
走ることは意外と楽しい。走っている間は自由に考える時間ができるので、以外と面白いことが見つかる可能性もあります
コスパは最強ですが、最低限の運動ができる服装が必要です。
思い切って買って自分を鼓舞してもいいかも。何かっていいかわからない人は、ひとまずニューバランスとか軽くて安いしいいんじゃないですかね。
③オフ会に参加する
普段のコミュニティとは違うコミュニティに入ってみることで、新しい視点を得られることがあります。私は最近ミステリ読書会に参加し、がち読書勢の知識の豊富さに度肝を抜かれて、「行ってよかった!」となりました。
④嫌いなことをあえてやる
例えば、アイドルが苦手な人はあえて握手会に行く、とか、スポーツ嫌いな人があえてフットサルに行く、とか。
やってみると意外と嫌いじゃなかったり、もしくは、嫌いなものを目の前にすることで自分の好きなものが明確になったりします。
⑤ダーツやサイコロを使って、自分の生活行動にランダムネスを取り入れる。
目をつぶって本を選んだり、インターネットで「趣味一覧」とかを検索して、無作為にひとつ選んでそれをやる。
「乗馬」とか「バンジー」とかが出てきてもちゃんとやるという意思を持ちましょう。
旅行先に迷ったときなんかは、「日本ダーツの旅」式に決めてみるといいと思います。
⑥昔の話を聞く、昔の場所に行く。
両親や祖父祖母、身近な人から昔の自分の行動志向を聞いてみるとか、しばらくあってなかった友人とあってみるとか。
見失っていた本来の自分的な何かが見つかるかもしれません。
趣味がない、とはざっくりした悩みで、時間つぶしの方法がほしいというだけでなく、「人生の無意味性となんとかしたい」とか「魅力的な人と会いたい」とか、そういう欲求とごちゃまぜになっていて対処がとてもやっかいです。
一番いいのは、自分の中で一番得意なとこを早く見つけることかなあと思います。
ちなみに私は向学心の強い魅力的な異性と出会いたいので、仕事の自己啓発も含め英会話学習を検討中です。
本を好きになる方法
「本を読めるようになりたい」
と言われたことがあります。それが本好きをPRする私への社交辞令だったのか、本当に活字耐性がなかったのかは判然としませんが、後者のかたにはこんなことを話そうと思います。
①面白い小説を見つける
面白い最初の一冊との出会いが、その後の読書生活を決定づけます。必ずしも高尚な本とは限りません。ラノベかもしれないし、ガチ文学かもしれないし、雑誌の連載かもしれません。
②最初の一行だけ読んでみる
必ずしも、本を最初から最後まで読み通す必要はありません(ガチの読書家の人には怒られそうですね)
最近の小説は、とても読者を意識して書かれているためか、出だしから読者をひきつけ最後まで引っ張っていく力のある小説もたくさんあります。
全部読もう! と意気込まず、お試しで一行だけ読んで下さい。そのままつい次の文章を読んでしまうものがあれば、それは一生の友人になれる小説かもしれません。
③フォロー数の多い読書アカウントをフォローしてみる
「読書熊」さんとか「読書熊」さんの紹介する本はいつも面白いです。面白い本を発掘するのが凄く得意な方がいます。そういった方とつながりを持ってみましょう。
④読書は役に立たなくていい、と思う。
読書から何かを学ぶ必要はありません。ただ、ふっと気になったときに、手にとって見ると、新しい世界を開くきっかけになるかもしれません。
ブラック研究室あるある
①学部時代で一番面白い講義をしてくれた教授が運営している
外向けに見た目のいいものを作ろうとすると、内部の人たちは苦しまざるを得ないんですね……私は体育会の部活にも入っていましたが、内部はストレッサーだらけでした。
②凄く優秀な先輩がいる
人生で一番勉強になったのは、死ぬほど優秀な先輩に研究の仕方や考え方を教わったときです。そういう研究室で長く生き延びられる人は、能力も凄く高いです。だからこそ、こだわりが強くストイックな教授にも認められているんでしょう。
③学生仲がいい
共通の敵を持つものは仲良くなる。教授に怒声を浴びせられた後輩をフォローし、資料を見てやり、飲み会で慰める。私もしましたし、してもらいました……学部の友達よりもずっと濃い関係を築けた気がします
④コアタイムはない
サービス残業の精神ですね。「各々の責任に任せる」
当然、「早く帰っていい」というわけではなく教授の眼鏡に叶う成果を出すには自ずと、ブラック企業も真っ青な時間が必要になります。何回研究室に泊まったことか……自己責任、という言葉を盾にとった理屈で、学生は常に理不尽な働き方を(建前上は教育だけど)強いられます。給料は出ません
⑤社会が優しいことに気がつく
薬品や備品会社の人がとても優しく思えます。
会社に入ると、労働時間が管理されている上に給与がもらえる……私は先月免許の更新に行きましたが、学生時代よりも今のほうが若返っていてびっくりしました。生活って顔に出ますね……
部活と研究の二つで、私の大学時代は一般の大学生活からは想像がつかないほどどブラックでした……会社に入ってからちょっと楽になったくらいです。
得るものもたくさんあったとは思いますけれど、理不尽な体制に甘んじて居座れるようになったことは、自分の幸福に寄与しているのか不幸に寄与しているのかイマイチ判断がつかないところです。
今度は体育会あるあるでも書こうかな。
村上春樹はなぜバーが好きなのか?
村上春樹は、たぶんバーの持つおしゃれな雰囲気が死ぬほど好きな人なんだろうと思う。
おそらく、本人が若い頃にバーが出て来る小説を死ぬほど読んで、きっとその影響を受けているんだろう。事実はどうあれ私はそんな気がしている。まずはこの本。
まだ十代の主人公ホールデンは、年齢を偽ってバーに入り女の子をナンパし、「年齢は?」と聞かれると「十二歳さ」とかとんでもないジョークで答える。
ニューヨーク放浪の最中、寂しいのかあちこちに電話を描けてはバーに知り合いを呼び出す。知り合いをバーに呼び出す系のイベントは、本人の著作「風の歌を聴け」で散見される。
「ジェイズ・バー」なるバーは、この小説の主要舞台と言ってもいい場所だ。主人公はここで友人と話し、女の子と出会い、なぜかやたらビールを飲む。
「完璧な文章は存在しない」の序文の下りは、嫌でも「グレート・ギャッツビー」の、食えないと評される語り部のそれを想像させる。
この本は主人公がメイン主人公が成金とボンボンということもあってか、落ち着いたバーみたいな場所はあまり出てこない。けれど、 屋敷や家でパーティしたりと、知り合いを募って飲むシーンはやたらたくさん出てくる。(私が読んだのは光文社のでした)
冒頭から行きつけのバーが出て来るのはこの小説も。
ジョー・ベルなる、癖は強いが人間味のある店主が主人公とヒロインを相手にする。
私の読んだ村上春樹おすすめ本は上記の三冊だけだが、ランダムで三冊選んでどれもがバーなりお酒混じりのパーティが頻繁に出てくるというのは偶然ではないだろう。
村上春樹のもつおしゃれな雰囲気な惹かれる読者がたくさんいるのも納得できる話で、作者自身も、そういう空気に酔わされた一人なんだろう。