Amazon kindleのメリット・デメリットまとめ
Amazon kindleを買って数年が経ちました。
最近では、気になった本はすぐにネット上でDLして読む習慣をつけつつあります。環境の変化って怖いなあ。
たまに聞かれるのが、「kindleって何がいいの」という質問。自分の頭の整理もかねて、ここのメリットとデメリットをつらつらと書いていこうと思います。
メリット
店舗に行かずに済み、時間短縮できる
欲しい、と思ったら次の瞬間には手元にあります。外に出かける必要もなく、もの凄い時短ができます。
深夜でも買える
夜、この本が読みたい!と思っても本屋がやっていない……ということがなくなります。私は飯テロならぬ「本テロ」にあったことが何度かあります。ちなみに私が初めてテロにあったのは漫画「はねバド!」でした。
SNSへの投稿が楽
アプリにも端末にも共有機能がついているので、ツイッターやらのSNSに直接アップロードできます。読書アカの人には便利。
複数の本を持ち歩ける
単行本は大きい。文庫本は小さいけれど、持ち運ぶのにも結構微妙なサイズではないでしょうか笑
気になった本をすぐに手元から呼び出せるので楽。友人に本を紹介するときも、すぐにタイトルと目次を見せてあげられます。
安く買えることがある
最近買った「コンテナ物語」は定価2800円ですが、1000円引きに。
野崎まどの「2」シリーズ。「アムリタ」「舞面面目とお面の少女」「死なない生徒殺人事件」「小説家の作り方」「パーフェクトフレンド」あたりは、400円を切っていました。
中田永一の「ファイアースターター湯川さん」辻村深月の「パッとしない子」などなど、有名作家の短編が無料で落ちてたりします。
英単語辞書がついている
知らない英単語をタップすると日本語の意味が出てきます。英語学習者にはぜひ。私が初めてkindleを購入したのはこれがきっかけでした。
プライム会員なら月一冊無料
これでハリーポッターシリーズを読んでました。
引っ越しが楽になる
本棚から本を引き抜いてダンボールに詰める作業がいらなくなります。
後、本棚を増やさなくて済むので部屋がすっきりします。私は本棚の空きスペースがほとんどなく、かつこれ以上棚を増やしたくないので、電子に比重が偏りつつあります、
デメリット
買った本を人に貸せない
電子購入なので人に渡せません。
「その本貸してや」
「ごめん、kindleで買ったから貸せない。買ってくれ」
ということが何度もありました。売る側からしたら結構嬉しいのかなこれ。
本棚と比べて一覧性が低い
本棚に本をずらっと並べれば、背表紙を見ながら
「これだけ読んだなあ」
みたいな感慨にふけることができますが、kindleはできません。
動作が遅いことがある(paper white)
端末のスペックの問題かもしれませんが、ページ送りの動作が遅いです。スマホアプリはさくさく動くんですけど。
パラパラめくれない
目的のページを探すとき、片手で本を支えて「パラララッ」とめくって目的の文言を探すこと(ありますよね?)ができないので、ちょっと不便です。
キーワード検索とか使えばいいのかも、とも思いますが私はまだ使いこなせていません。
充電がいる
電子機器の宿命です。
本屋さんの経営を圧迫する
ごめんなさい応援したい気持ちはあるんです。
電子化されていない本がある
まあ当然と言えば当然ですが。
新刊なんかは、書籍のほうが先行販売されることが結構あるイメージ。紙の本を守ろうという何かの力を感じます。
ざっと上げてきましたがこんなところでしょうか。
購入迷っている方の参考になれば幸いです。
動物が出てくる小説まとめ
こんなツイートを見つけました。
#RTした人の小説を読みに行く
— お嬢様 (@JuZCy8SCi7QyU5i) 2019年1月11日
動物がメインで出てくる小説が読みたいです(大音量)(最重要)
あと長編のお勉強をしたいので読みやすい小説
感想を書くかは分かりません。言葉がまとまったら書きます
歴史物、ファンタジーを好みます
上の条件に該当するもののみ、URL必須でお願いします
なかなかニッチなニーズですがそういう小説はあります。
野生の呼び声
ジャック・ロンドンの小説。ゴールドラッシュ時代のアメリカ、温室育ちの犬がアラスカのソリ犬として売られ、野生に帰っていく話。野生の荒々しい戦闘描写と、穏やかな性格な犬がどんどん変わっていく様がスリリングです。
白い牙
『野生の呼び声』と同一作者のお話。こっちは、荒々しい野生に生きる狼が人と絆を結ぶ話。
ロンドンはほかにも犬をメインに据えた話をたくさん書いています。ちなみに上記の二作はkindle unlimitedで無料で読めます。私はそっちで既読です。
シートン動物記
『狼王ロボ』が有名です。こちらが好きな方はシートン動物『誌』のほうも面白いかもしれません。
狼以外にも、いろいろな動物の観察記録がまとめられています。全十巻を超える超大作。シートン先生凄い。
吾輩は猫である
有名すぎて逆に変化球かも。猫が語ってます。著作権が切れているので無料で読めますよ。
狼と香辛料
ホロ可愛い……この小説めっちゃ好きです。
アニメもあります。全部で18巻。リタイアしたら全部読みたい。
続編には『狼と羊皮紙』も。
ジョニー・ザ・ラビット
直木賞作家の動物小説。可愛いはずの兎たちが、サングラスかけてハードボイルドやります。真剣ですけどちょいちょい笑えます。ベストセラー、という感じのでもないので、こいつに目をつけるあなたはなかなか通です。
以下、未読です。
ノラや
吾輩な猫といいこれといい、純文学は猫好きなのでしょうか。
猫旅レポート
映画になりましたねえ……
パーフェクト・ブルー
宮部みゆきのミステリ。絶対面白いと思ってる(未読)。
鹿の王
以下、別枠です。
利己的な遺伝子
生命系の研究には、実験対象や観察対象にされた動物のストーリーが引き合いにだされるので、リアルな動物像に迫れます。
幻の動物とその生息地
ハリーポッターシリーズのスピンオフ。J・Kローリングの想像力はもの凄いなと感じます。
ざっと見てみると、意外と種類がある。一般文芸からラノベ、ミステリ、純文学、ファンタジーまで、動物を題材にした小説や本はいっぱいあります。
実は私は狼大好きで一時期狼小説を読みあさっていました……後、やっぱり人間って犬と仲良しだなあと感じます。
同好の士のお役に立てると嬉しいです。
では。
【長文】私が神様を信じるようになったきっかけを話そうと思う。
初詣は馬鹿々々しいと思っていました。
神様は人が勝手に作ったもので、願いをかなえてくれることなんて万に一つもない。存在しないものを妄信するなんてみんな馬鹿だ、と私は思っていました。
今でも、私は雲の上に神様がいないことを確信しています。ただ一方、神を妄信する人が一定数いることも承知しています。
私の会社の先輩は、信じていそうな人でした。
先輩は時々飲みに誘ってくれます。何の弾みか、結婚と子どもの話になり
「地元の妻が妊娠した」
と先輩は言いました。先輩は九州から中部地方へ出向しているので、なかなか妻に顔を合わせられず悪いと思っているようです。
「一回流してしまって、気が気でないんだ」
その話は妙に私の頭に残りました。
神様は信じていませんが、お寺の持つ静謐な雰囲気と木々に囲まれた空間は気に入っています。それで私は、近くの神社によく散歩に出かけます。先輩と話をした数日後、私はふと神社の販売所を覗きました。
『縁結び』
のお守りを見て皮肉な気持ちになったのは言うまでもありません。が、その隣にあった『安全祈願』のお守りを見てふと先輩の話が頭をよぎります。
さんざん奢ってもらった借りを少しでも返そうと購入し、ある日先輩に渡しました。私は神様を信じていませんが、出産を前にした人へのお礼にぴったりだと思ったのです。大したものでもないと思ったので、私はそれきり忘れていました。
半年とちょっと経ったでしょうか。先輩から、子どもは無事に生まれたと報告を受けました。
「本当にありがとう」
と、感謝されて、私は戸惑いました。
「お守り、役に立った」
説明を聞くと、難産だったそうです。いろいろの前準備にもかかわらず、結局切開して子どもを取り出すことになりました。
分娩室にいる間、先輩の妻はお守りを手に握りしめていたそうです。
「なんというか、全然知らないところで買ったお守りっていうのが、凄く嬉しかったらしくて」
と、先輩の説明もほわっとしています。
私はその場に立ち会ったわけではありませんが、ベッドから投げ出された細い手が、あの薄いピンク色のお守りを握りしめている映像が頭に浮かんできました。
お守りに人を守る力はありません。ただ、誰かが自分のことを思っていてくれたことの象徴になる。そのことが人に気力を与えるのだと思います。
この時私は、神様や神社、お守りというものがなぜあるのか、腑に落ちた気がしました。
神様や神社は、この先うまくいく、とか、未来はきっと良くなる、ということを、みんなで信じるために作られたものだと私は思います。
未来がよくなる保証はありませんが、信じることはできます。信じれば変わる可能性が出てきます。かのマザーテレサも、行動は心から変わる的なことを言っていました。
つまるところ神様は、願いをかなえる全能のものではなく、願いをかなえるための前向きな姿勢を維持するための仕組みのひとつなのです。
よくできた仕組みと感心しました。だから、歴史の彼は奈良の大仏を立てたし、また誰かは伊勢神宮なんて作ったんでしょう。確かに、あれだけ立派なものを作れば、人の力を超えた何かが存在するような気分になるのが不思議です。まあ、それも人の手が作ったものに違いないんですが。
ともかく、いるかいないかは別にして、幼い妄信から若い不信を経てようやく、私は神様を信じられるようになりそうです。
そういう訳で、来年の初詣は、きちんとお賽銭とお祈りをしようと思います。
『オーディブル』はこんな人の役に立つ
ポイント還元のサービスに釣られてオーディブルを導入しました。
使ってみて、これは「読書の新しい形を提案するものだ」と思い、そして私自身も便利と感じることがありました。
万人におすすめというサービスではありません。ただ、これを導入するとこんなメリットがあるというところをご紹介します。
メリット
1 車通勤の時間に読書ができる
電車の中で本を読むことができても、車の中で本を読む、ことは今までにできなかったことです。
オーディブルを導入すると『車の中で本を聴く』ことができるようになります。ハンドルを握っていても耳は自由。これはオーディブルの中でも一番画期的な側面だと思っています。
2 英文多読の協力な味方になる
『小説を英語で読んで勉強する」のは、語学の勉強と読書の楽しみを同時進行できて一石二鳥ですが、発音や読み方があっているかわからないし、一番実用的な「スピーキングとリスニング」の力はなかなか鍛えられません。
オーディブルには、英語学習によく使われる海外作品の音声版がたくさん落ちているので、英文を読みながら聴くことができ、リーディングと同時にリスニング力も磨けます。オーディブルを導入することで、一石二鳥が一石三鳥になる、と私は主張しています。
ちなみに私は『ティファニーで朝食を』を繰り返し再生してます……凄く好きな小説で何度も読み返していたので、原著を聴けるのは新鮮な体験でした。
3.掃除しながら本を読める
部屋の掃除ですとか、洗いものですとか、ちょっと時間がかかりそうな作業の時間が読書の時間になる、というのは、これも画期的なことです。
更にアレクサを導入すれば、声で操作ができるので、手が空いていなくても再生やストップできるので便利です。
中には3500円OFFキャンペーンのある機種もあるので、導入は今がオススメです。
私は、掃除を始める前にはアレクサに命じて本を再生してもらっています。掃除はあまり生産的に思えない作業なので、その時間で読書(聴書?)できるのはなかなか捗ります。
デメリット
本の値段が高い
普通の文庫本が500円~800円に対して、オーディオブックは1200円~であり高価。普段の読書の代替にはしにくいです。
本の種類が少ない
日本語版は有名な小説や自己啓発本が主で、専門書や調べものには使えないことが多いです。
登録すると毎月1500円取られる
会員費が1500円/月、というのもイタいところ。1500円分の購入ポイントを毎月強制的に付与されるシステムです。
ただし会員でなくてもオーディオブックは利用できます。私は登録せず、気に入った商品だけ購入して何度も聴く、という使い方をしています。
以上、簡単にメリットとデメリットを紹介してきました。
まだまだ粗もありますが、新しい読書体験を提供してくれるサービスなことは間違いありません。興味のある方はぜひ一度お試しを。
2019年最新版 地元民が教える浜松の隠れ観光スポット
こんにちは、ミズノです。
浜松に住み始めてから3年が経とうとしています。地元の友人におすすめしたい、浜松でぜひ訪れてほしい場所をご紹介します。
観光ガイドにはあまりないちょっとコアなお店と、訪れる際のTipsをご紹介します。
ロシア料理 サモワァール
静岡県浜松市中区平田のロシア料理店「サモワァール」 本格的ロシア伝統料理
ピロシキ、ボルシチ、ロシアンティー……名前は聞いたとあるけれど食べたことのない、そんな珍しい料理が食べられるのがこのお店です。
浜松駅から徒歩で10分ほどでアクセス良好。食べログ予算では8000円からとなっていますが、コース料理で1人2000円~頼めます。
私は12月末のディナーを1週間前に予約しましたが、クリスマス前でも2名の予約が取れました。珍しいお店なので、意外と予約取りも簡単です。
さわやか
全国的に有名になった静岡のハンバーグチェーン「さわやか」
大変有名でぜひ一度行って欲しいのですが実はこのお店、どの場所にいっても滅茶苦茶混んでいます。
隠れてない場所な気もしますが、訪れる際に注意があるので記事にしています。
この場所、昼食や夕食時の混在は想像を絶し、ふつうに1時間以上待たされることもあるのでご注意を。混雑を避けるなら、ピークの時間から1時間程度前の時間にいくのがおすすめです。最近は混雑状況をモニターできる仕組みができ、ホームページから待ち時間が確認できます。
現在の混雑状況(浜松和合店)はこちら
→https://www.genkotsu-hb.com/shop/wago.php
むつぎく
浜松餃子 むつぎく|JR浜松駅南へ徒歩3分|静岡県浜松市中区砂山町
浜松餃子のリーダーと言えばここ。ただし、お昼に行くともの凄い行列です……実は私もまだ行ったことがなく……私が行きたい場所ですね笑
駅から近いので、お昼に迷った時には、店先を一度見に行ってみてください。
ぐーちょきぱん
http://gutiokipan.otherworks.net/
映画「魔女の宅急便」でキキがお世話になった「ぐーちょきぱん店」とそっくりな風貌のお店。外観だけでなく内装も、魔女の宅急便の世界観を再現したような不思議な空間で、まるで映画の中にいるような気持ちになれます。
パンはかりかりに焼いた生地が特徴、なかなか食べ応えがあります。
佐久米駅(天竜浜名湖鉄道)
私は鉄道マニアではありませんが、湖の周りを走る珍しい鉄道「天竜浜名湖鉄道」は、風情があっていいなと思います。
中でも珍しいのが「佐久米駅」
ここには、12月から4月にかけてゆりかもめの大群が押し寄せます。湖に面した駅にかもめが集まる様子は圧巻です。こんな駅はほかにないでしょう。「冬に混雑する駅」としても有名です。
昨年人気になったアニメ「ゆるキャン△」の聖地のひとつでもあります。
電車の本数は少ないので、車で行くのがオススメです。
ヤマハ発動機コミュニケーションプラザ
浜松駅からは車で三十分ほど。磐田市にあるヤマハ発動機の製品展示施設です。
バイク、船、車、ヘリコプター、ピアノ……と多彩な製品群が展示されています。私はエンジニアですが、エンジニアではない人が見ても、その多彩な製品群に心奪われること間違いなしです。
「ヤマハのコピペ」を確認できる歴史紹介もあります。ちょっと遠いですが、機械に興味がない人こそ足を踏み入れてほしい場所です。
後、二階のカフェからは富士山は見えます。
スズキ歴史館
スズキ版もあります。こちらは予約必須です。
見附天神
磐田市のイメージキャラクター「しっぺい太郎」のモチーフになった霊犬が祭られている神社。神社の裏にはつつじ、桜の咲く公園があり、シーズンには美しい桜を裂かせます。ヤマハコミュニケーションプラザを訪れた際にはぜひ。
田原水車の里
まさに、「地元民しか知らない隠れ家」です。
桜の咲く季節には「春の小川」を連想させる美しい桜と菜の花で周囲がいっぱいに埋め尽くされます。小川の上流には、地元の学生が作った水車が設置されていて、独特な風情を感じさせます。
普段行っても落ち着ける場所ですが、春から夏にかけて訪れると、さわやかな気持ちになれる隠れ家的スポットです。
以上、駆け足で隠れスポットを紹介しました。
他にも、有名どころでは浜松城や中田島砂丘、竜ヶ洞、浜名湖パルパルと、いろいろ見るものがあって楽しい場所です。
有名どころ巡りのちょっとした気分転換に、ちょっと珍しい場所も回ってみてはいかがでしょうか。
婚活をしていたら、週休七日で年収一千万超のお姉さんに人生を教わった話【1】
マッチングアプリで婚活をしていました。
気になった相手に「いいね!」を押し、相手から返事が返ってきたらメッセージ交換。気が合ったら直接会う、というタイプのアプリ。
私は二十台後半の技術職、つまり普通の会社員で特段モテる要素もなかったため、「プロフィールを書くときに参考する人気会員」のきらきらしたページを見る度
「これ無理ゲーじゃん」
と、やる気をそがれていました。
人気会員の写真は何となくキラキラしていて、垢抜けていて、自分はこんな風になれんなと頭を抱えました。
が、すべての女性がそういう素敵な男性と付き合えるかと言われればそんなことはない。そもそもそいつが写真の通り素敵だ男性だという保証もない。
そういう訳で、自分のスペックで手を打つ女性も必ずいる、という仮定のもと、まず絨毯爆撃的に攻めることにしました。
何をやったかというと、「オススメされてくる会員全員」に「いいね!」をしました。
これは精神的に楽です。マッチングアプリの何がしんどいかというと「相手を顔とプロフィールで選んで候補から外していく」っていう作業が、なんだか身の程を知らない行為をしているようで居心地が悪いからです。
何件くらい「いいね!」をしたか記憶にありませんが、100人に「いいね!」をして返事が返ってくるのが数人、というイメージです。やはり、婚活市場では男性よりも、女性の側に選ぶ権利があるようでした。
何より、女性は無料ですが男性は会員登録が有料というところに、どちらが選ぶ立場かということがはっきり現れています。
マッチングしたからと言ってうまくいくとは限りません。会う前に消える人もいます。そういう人は、メッセージの最中で突然連絡が途絶えます。やっぱり、突然冷静になって「なんでこんなことしてるんだろう」ってなっちゃうんでしょうか。トカトントン、みたいですね。
が、何人かとは会えました。薬剤師のお姉さん、住宅会社の広報、中小企業の事務員……失礼かもしれませんが、一目で恋に落ちるような美人はいませんでした。けれど、マッチングアプリを利用するような人はみんな、恋愛に対しては同じような屈託を感じているためか、自然と話は会いました。何度か会ってくれる人もいました。告白すれば、もしかしたら結婚まで持ち込めるかも……と感じる人もいました。
ただ、婚活をしているくせに、その人との関係を深めたいという意欲がわかなかったのです。我ながら傲慢だなあと思いつつ、これは本当に結婚できないかもと嫌な予感がすでにしていました。
ここで突然私の個人プロフィールに移るのですが、私はもともと会社員になりたいという思いがありませんでした。
高校生の頃は読書が好きで小説家になりたいと思っていました。ただ、「文章では飯が食えん」と理系選択し、大学は工学部の物理学科に進学しました。「大学と就職は小説家になれなかったときのための保険」と高校時代の私は思っていました。そして今、二十代後半になり、その保険が発動してしまったというわけです。確かに、学生時代の私には、それなりの先見の明があったみたいです。
「先生」と呼ばれたい欲求があったわけではないと思いますが、ちょっと雲の上にふわふわ漂っているような、社会的な競争からは外れた立場で生きていきたいという願いがありました。そういう訳で研究者も良かったのですが、自分の研究室で進学するにも教授とソリが合わず、企業の研究職を希望するも面接で落ちてしまって、希望が潰えます。
「いつかは別の大学でドクターを取る」
という思いも頭の隅にあり、今の私は、使うともしれない学費として熱心に貯金をしています。
当然、就活はしたくなかったのですが「保険」ですし、小説の題材にもなる。社会経験を積むことにもなると自分を鼓舞し就活に臨みました。なかなか面接もうまくいきませんでしたが、就活情報を集めたり先輩にアドバイスをもらったりして、なんとか今の会社に内定をもらいます。就活中に得たものも、いろいろありました。例えば、
「短い時間で知らない人のことを判断する材料は、喋り方と見た目くらいしかない」
それと、もうひとつ
「今は会社に所属する時代ではない」
ということ。ネットで就活について検索すると、「就活なんてするな!」みたいな記事が結構な割合で出てきます。私は現実から逃避するように、帰りの電車の中でそういう記事を読み漁っていましていた。インフルエンサーというものを始めて知ったのもこのころでした。
「だけど起業とかフリーランスなんて自分にはできんわ」
と、頭の隅にはとどめつつ何もできていませんでした。株にはちょっと手を出したのですが、見事にマイナスでした。
「働きながら小説を書いて、独立しよう。その時のために貯金もしよう」
というのが、入社した時の私の野望でした。会社貢献する気の無さ……そうして私は、ドクターになるという夢と、小説家になるという夢との原資を減らすのが惜しくて、なかなか思い切ったお金の使い方ができずにいます。
小説は、ぼちぼち書いています。年間で200枚くらいでしょうか。途中で断筆したものも。ただ、断筆したものも、設定をいじったりアイデアを足したり、ほかの作品を組み合わせたりして何とか最後まで完成させよう、と、今もしています。ブログ記事……なんて書いてる場合じゃないのかも……
小説を読み、苦労しいしい書き、読書を楽しみ、職場にはコアタイムギリギリに出社する毎日でした。しかも、帰るのは17:30で、一日の残業時間がマイナスになることも。それが許される会社に入ったことが、私の就活の中で一番の成功だった気がします。
「婚活しよう」と思ったのは、社歴も二年を過ぎ、研究職も小説家も無理かもなあ……と思い始め「ずっとここで働くことになりそう」と予感しつつあったからです。職場への愛着もでてきました。子どもの可能性を眺めるのもきっと楽しいと私は思っていること、それと、同期の結婚が重なったこと。「三十五歳になると人生の闇が見えてくる」というシロクマ先生の言葉に恐怖を覚えていたこと。自分を婚活に駆り立てる要因は、二十代の後半にもなればいろいろありました。
周りに女性もいない私は、とにかく出会いを作ることを目的とし、恐る恐るマッチングアプリに手を出していました。
婚活や結婚への疑問は払拭しないまま、相変わらず「いいね!」を乱打していました。とにかく相手に会えば、何かピンとくることがあるかも、という、奇跡みたいな確率にかけていました。
私の乱打に返事を返してくれた人のひとり、その人が「週休七日で年収一千万超のお姉さん」でした。
コミュニケーションは会話する前に八割が終わっている
なぜ相手はラインを返してくれないのか?
どうすれば会話が続くか?
これは多くの人の持つ共通の悩みだと思う。その悩みに答えるべく、世にはコミュニケーションに関わる書籍が嫌というほど出版されている。かくいう私も、人とのコミュニケーションが苦手と感じていて、そういう本を死ぬほど読んだ。
「天気は誰とでもできる共通の話題だ」
とか
「話すことより聞くことが大事だ」
とか、いかにして話題を作って話を続けるかというテクニックが世にはあふれている。
ただ私は、そういう小手先にテクニックに異議を唱えたい。何より私が思うのは、コミュニケーションが苦手と意識している人は、たいていの場合はコミュニケーションが苦手ではない。
コミュニケーションが成立しないのは、ただ単に、相手が自分に対して興味や関心を持っていなくて、この人と会話するために時間を割きたくないと思っているためだ。。
悩んでいる人が求めているのは、自分に関心がない人を楽しくさせるたなんていう超高等テクであって、そんなものを持っている人はホストにだってキャバ嬢にでもなったほうがよっぽどお金が稼げるだろう。
話が続かない時、攻めるべきは自分だけではなくて、コミュニケーションの努力をしてくれなかった相手も同時に責めるべきで、もしくは、自分に関心を持てないようなバックグランドを擁するに至ってしまったそれまでの歴史に思いを馳せるべきで、コミュニケーション不全なんていう、よくわからない理由で自分を否定してはいけない。
これは学生時代の自分に教えてあげたい一番大切なことだと私は思っている。
学生時代の私はお金がなかった。身なりに気を遣うという考え方さえなくて、ただ学ぶために大学に行くなんていう、勤勉という概念をしっかりとインストールされたいわゆる「真面目な学生」だった。
部活にも入っていて、そこそこ女子もいるところだったけれど、周りの人から自分はそこそこ遠巻きにされていたと思う。その理由は、私が本当に勉強のことしか考えて楽しむことが苦手だったからだし、何よりも人に良い印象を与える見た目や振る舞いを身に着けてこなかったからだ。
どうすればたくさんの友人ができたかというと、人に違和感を与えない立ち振る舞いと服装、それと人並みの常識を早い段階で身に着けておくことだったと思う。勤勉さや真面目さっていうワードはそれにそぐわなくて、必要なものは、他人が求めているものを察知するマーケット的な考え方だった。そこにはいいも悪いも、真面目も不真面目もない。
当時の私は、外見は人を現さないという考え方を強固にインストールされた素直すぎる学生だった。人が外見や立ち振る舞いで態度を変えることにやっと気が付いたのは、大学院二年生になって就職活動を始めてからだ。
志を持って、自分のやりたいことをしっかり伝えればいい会社に巡り合える、という思想を持っているうちに受けた企業は全滅だった。
が。
あれ、もしかして、人は人の「内面」とかいう意味の分からないものを見てないんじゃないか? わかりやすく説明しやすい肩書や大学名、持っている資格、喋っている印象のほうがずっと大事なんじゃないか? という考え方を身に着けた後、続けざまに三社から内定をもらい、自分が今まで世界にたいして理想を抱きすぎていたことを悟った。
そういう理想を長い間見せてくれた家族という存在には感謝もあるけれど、一方でもうちょっと現実に即した教育を施してくれるのはもっと早ければと思うこともある。
人は人を外見で判断しないと思いたがる生き物だけれど、どうやってもその傾向からは逃れられない。「会話が続かない」問題は、コミュニケーションに難があるんじゃなくて、会話を始める前に十分な関心を相手に持たせられていないからなのだ。
「会話」というのはいわば確認なのだ。自分の興味や関心、期待していたことが本当にそうか。それを確かめるために人は話をするのだ。会話の前の関心がなければそもそもコミュニケーションは成立しない。
つまるところ誰かと仲良くなりたければ外堀埋めようね、という話です。