狐の嫁入り

小説創作ブログ! のつもりでしたが、なんかだいぶ違う気がします……

「星を継ぐもの」を読みました。

「星を継ぐもの」を読みました。(※ネタバレをします)

 この本を手にとった理由はタイトルがかっこ良かったからです……! 

が、面白さのあまり最後まで一気読みでした。私の中で、2020年5月度の買ってよかった小説1位に躍り出ました。

 

「月で見つかった死体」というキャッチーな出来事に対して、「この人物が死んだのは五万年前」「当時の人間は宇宙船を持っていない」ことや、じゃあ彼は宇宙人なのか、という推定に対して「その生物学的特徴は全く地球人と同じ」など、不可解な状況がどんどん積み上がっていき、ミステリーを読んでいるみたいに興味と好奇心を引き付けられます。

そういった謎に対して、科学技術を駆使して少しずつ迫っていく中盤の展開は、科学に興味のある私にはとても魅力的でした。

死体と一緒に見つかった「日記帳」を解読したり、死体の分析から体の組成、住んでいた場所の特徴を特定したり、ちょっとずつ事実を積み上げていきながら、「なぜ死体がそこにあったのか?」にまつわるストーリーを解明していきます。

 

「月のクレーターから見つかった物質は核反応によって生成するもの」という事実から「月で核戦争が起こった」ことが明らかになるシーンがちょうど本の半分あたりから来て、ここから一気に物語が加速していく感じがしました。

 

著者はコンピューターのセールスマンだったそうですが、これが処女作ということでとても驚きです。私も科学技術には関心のあるほうですが、ここまでリアル感を持って(本当に科学考証が正しいのか私は判断できないのですが……)書けるのがとてもうやましいと感じます。

 

古い小説だと思って読んでいましたが、全然古さを感じません。それどころか現代よりもずっと新しい物語のように思えます。

 

この本を読んでSF小説への関心がものすごく高まりました。

ちょっと毛色が違いますが、英語の先生におすすめされたこともあって「ニューロマンサー」を読んでみようと思います。

 

こういう面白い小説を読むと、創作意欲がとても刺激されます。もっと面白い小説を読みたいです……!

 

猫の地球儀」を読み返したい気持ちになりました。